「キリング・フィールド」

 現実にカンボジアで起きたポルポト派という少数の過激派が国を支配した為に起こった 大虐殺!
 知識としては知っていても、それを具現化した映画ってそんなに無かったから、コレを観ると その現実が良く理解出来ますね。

 恐いですよ。何よりポルポト派の兵士って、小学生くらいの子供までがマシンガンを持って大 人を恫喝したりするんですから。

 本作は現実にあった話をモデルにしていて、カンボジアに取材に来たアメリカ人のジャーナリ スト、シドニー・シャンバーグと現地の案内役として友達になったカンボジア人、ディス・プラン との友情を描いた感動作。

 シャンバーグは政変が起きてポルポト派の恐怖政治が始まる間際に脱出するのだけれど、ディ ス・プランの方は身分証を偽造することが出来ず、恐怖政治の始まるカンボジアに置き去りにさ れてしまう。

 そ〜してプランが体験する想像を絶する恐怖世界。ポルポト支配を実行する為に、反抗的な者 は即処刑。
 医者や教師、また英語が喋れる等知識のある者は皆危険分子と見なされて処刑!

 そんな中、プランは決死のサバイバルを経てポルポト派の勢力圏からの脱出を図る……。

 し〜かしこの物語、一説によると自分のジャーナリストとしての名誉の為にプランを利用した としてシャンバーグへの批判の声も多く上がっているのだとか。

 まぁ現実の事件をモデルにした映画作品というのは、そうした事実との違いについて云々され るというのはよくあることだけれど。
 それにアメリカから見た「上から目線」も嫌だという向きもありますね。

 でも作品に罪はありませんからね。オレなんてコレ観た時は号泣ですよ!

 このカンボジア人プランを演じたハイン・S・ニョールという人は、それまで演技経験は全く 無かったのに、本作でアカデミー助演男優賞を受賞したそうです。
 かつて本作をテレビ「ゴールデン洋画劇場」で放映した時に解説の高島忠夫さんが「助演じゃ なくて主演ではないでしょうか」と言ったのを思い出します。
 暫くはジョン・レノンの「イマジン」を聴くとこの映画を思い出していました。



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