「キル・ビル Vol.2」
B級映画バンザイ! オレは面白かったぞ! Vol.1 はオチャラケアクションで大盛り上
がりだったけど、アレはVol.2 の前哨戦だったんだな。デビッド・キャラダインっ!! タランテ
ィーノってジョン・トラボルタと言い、何と言う誰も気がつかなかったけどそれでいてオオそうか!
と言うキャスティングを持ってくるんだろう。楽しい楽しい(笑)でもオレ正直 Vol.1 を見た時
はタランティーノは完全にパロディ世界に甘んじてしまっていて 「レザボア・ドッグス」 で見せ
た様な劇映画の王道から外れてしまったことに 「これで良いのかタランティーノ!」 と思ってしま
ったのだけれど、Vol.2 は単なるオチャラケパロディではなかった。ヒネリの効
いた独自の脚本、そこには殺し屋として生きる人間世界の非情な哲学があり、殺し屋の男女が愛し合った時
に生じる宿命の切なさ=カッコ良さがあった。このオープニング(だったかな?)真っ白いハレーション
画面からヒロインの結婚式会場に現れたビル……これから始まる殺し合いの前のあまりに
静かな、でもピンと張り詰めた二人のやり取りは鮮烈だった。ここで流れる優美な音楽は御大エンニオ・
モリコーネ「続・夕陽のガンマン」の大悪役リーバン・クリーフ登場シーンの曲で、良く聴いている
古いサントラが随所に流れるのも本シリーズのマニアックな楽しみだ。既成のサントラ
から音楽を貰ってるところはまるでオイラが学生時代にやってた自主映画を思い出させます
(笑)マンガな世界なのだけれど、マンガの愉悦にど
っぷり浸る快楽を久しぶりに堪能させてくれた。いわゆるB級と言われる世界にだって、ここには
この世界の美学と言うモノがあるのだ! Vol.1 の方が派手派手で面白かったと言う人がいるけれど、
そんな人には人差し指をチッチッと振るって 「分かってねぇな」 と嘯いてやろう(笑)オレ的にはオチャラケ
路線に甘んじてもうダメかと思っていたタランティーノに「まだ捨てたもんじゃない」と思わせられ
ましたよ。本作はVol.1 の様に延々と続く立ち廻り等の助長なシーンは無く、ひたすらユマ・サーマンが次々に降りか
かる危機を乗り越えて復讐に向かって突き進む展開にのめり込めた。より確信的なマカ
ロニテイストで、随所に巻き起こる決闘シーンも抑制が効いてメリハリがあり、最後まで飽きず
に観れました。でも封切り3日目なのに映画館空いてたなぁ……やっぱ興行的にはコケたのかも
しれませんねぇ。