「きみはいい子」

 主人公の新米教師は大人を舐めた小学生たちに翻弄されている。モンスターペアレンツの苦情に辟易し、また先輩教員にもお説教され凹むばかり……。

 こゆの見る度に「あ〜人間て嫌だなぁ」「教師なんてみんな辞めちゃえばいいのに」と思う。そう感じた時点で作者の術中にハマってんだけどね(笑)映画を観る時ゃ素直な感情で受け止めていれば間違いない。

 映画は三つの話が同時進行していく。もうひとつは幼児期に虐待を受けた母親が自分も子供を叩いてしまうジレンマに悩んでいるお話。

 そしてもうひとつは小学校の「特殊学級」に通う自閉症の子供と、通学路にある家で独居している、認知症のお婆さんとの触れ合い。

 どのエピソードも実にビビットに描かれていて、特に子供の嫌なところと、可愛いところがリアルに描写されていました。

 それと女優さんたちの芝居が皆さん素晴らしかったですね。特に自閉症の子を持つ母親を演じた富田靖子さん。割と出番は少なかったのだけれど、人物の情感に溢れていて、貰い泣きするくらい真に迫っていた。

 映画は街に暮らす人々の辛い現実を綴っていきながら、時としてふと心に触れ合いの光を灯すという趣向。

 ちょっと惜しい気がしたのはラストですね。オレの理解力が足りなかったのか、主人公の意識の変遷が上手く伝わってこなかった。

 人と人との繋がりにキラリと光る救いがあるというのは解かるのだけれど、う〜ん辛い現実が見事に描写されているだけに、もう一つ突き抜けたカタルシスがオレは欲しかったです。


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