「禁じられた遊び」

 こんな可哀相な映画が他にあるか! 「蛍の墓」はどっこいかな……それにしてもこの映画は1952年ですよ! 今から50年も前なんだよ!

 戦争のせいでこんなに子供に可哀相な思いをさせて! それから70年も経つのにいまだに人間は戦争しています。もう本当に、行く行くは絶滅するしかないかもですね、それで猿の惑星になって人間は原始人化して逃げ回れば良いんだ……ちょっと横道にそれました。

 それにしてもこのラスト! 女の子がいなくなった男の子の名前「ミッシェル……ミッシェル……」って呼んでたのがやがて思い出した「ママ……ママ……」って涙を浮かべて混乱する人ごみの中に走って行ってしまう後姿を見て涙しない人はいないんじゃないか! それでも戦争はやめられないから人間は矛盾している。

 左翼系過激映画の巨匠と言われた若松孝二監督に和光大の学際で会った時、監督が「映画ではなにも出来ない」って言った時なんかガッカリするやら感銘を受けるやら複雑な思いをしたけれど、本当にそうだね、映画では何も出来ない。でも世の中を動かしてるのも人間なのだから、目に見えなくっても、きっと何か出来てるとは思いますけどねぇ。



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