「コクリコ坂から」

 最初題名見た時「ココリコ坂から」かと思いましたけど、言葉の意味は解りません。

 かの宮崎駿監督の息子さんのデビュー作「ゲド戦記」に続く第二作。オレ悪いんですけど前作が全く何も面白くなかったので、全然観に行こうと思っていませんでした。
 けれど、路線としては好きな「耳をすませば」系であり、他の方のレビューを読むと「良さ気」な感触なので行って来ました。

 いや〜良いです(笑)お話としては昔の日活青春物か、何より「冬のソナタか!」って感じですけど。もし実写だったら何を今更陳腐なことを……と思うところを、アニメの「絵」であることが狂おしい郷愁となって情感を醸し出しています。

 いや〜大画面故の街の奥行き! 走る船の臨場感! 情景描写に風を感じます。
 今時こんな話で泣けてしまうんですから(笑)改めてアニメの可能性って、こういうところにもあるのだなぁと、感じ入ってしまいました。

 ちょっと意地悪な推測をすると、製作総指揮も脚本も御大宮崎駿じゃないですか、なのでもしかして本人の技量というより手取り足取りな感じだったのかなぁと、スンマセン何せ前作がアレだったもんですから(重ねて失礼)。

 けれどやっぱしこなれてないなぁと感じたのは、結構安易に喧しく音楽入れすぎだなというのと、さしたる意味もなく「暗転」が多かったですねぇ。舞台じゃないけど映画でも暗転が多いのは考え物だなと思いました。

 ジブリのアニメで大人向け、という系統では「思い出ぽろぽろ」もありましたけど、オレはアレ全然ダメだったので、本作が一番ですね。
 エンドロールの主題歌がしみじみと心を浄化してくれました。



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