「クリムゾン・タイド」(95米)
潜水艦映画にハズレなし……って誰が言い出したのか知らないけど、本当にそうなんですよねえ。
古くは「眼下の敵」に始まって「原子力潜水艦浮上せず」「Uボート」「レッド・オクトーバーを追え」みんなみんな面白かったですよねぇ〜。
んでこの作品が新しいのは時代の変遷もあって、潜水艦に核ミサイルを搭載していると言うところ。今にも戦争状態になりそうなロシアとアメリカの緊張の中、ロシア近海を航行する潜水艦アラバマ号は本国からの命令通信が敵の攻撃で傍受出来なくなってしまい、核ミサイルを撃つか撃たないかを自分で判断せねばならない状況に追い込まれる。
潜水艦のミサイル発射は艦長と副艦長の合意がなければ出来ないらしい、その辺は実際の軍法を調べてあるんでしょうが、面白いですねぇ〜ここで艦長は好戦的でミサイル撃ちたくてしょうがない(笑)ジーン・ハックマン! 冷静で温情的な副艦長はかの優等生黒人デンゼル・ワシントン! この二人がいがみ合い、戦うんですよ〜ミサイル撃つか撃たないかで。
そりゃ敵はロシアなんですけど、人間誰しも遠くの大敵より身近な嫌なヤツが第一障害ですよねぇ(笑)この構図が実に面白いです「ロシアが本国にミサイルを撃って来るかもしれないから、こっちもミサイルを撃とう」「ちょっと待て、もしこちらが先に撃ってしまったら、世界を破滅に導くことになってしまう」さぁどうしましょう。
そうこうするうちに敵の潜水艦が攻撃を仕掛けて来ちゃう! このスリル、この頃目に見えて活躍し始めたCGによる潜水艦の魚雷戦! 息詰まるジーン・ハックマン艦長とデンゼル・ワシントン副艦長の戦いはやはり善人ワシントン君の勝ちだけど、映画的にファンを大いに楽しませたのは何と言ってもジーン・ハックマン! 格が違いますよ格が。
この作品のトニー・スコット監督はかの「トップ・ガン」でブレイクして単純な娯楽一辺倒! 中には詰まらない不評な作品もあるみたいですが、本作は面目躍如な快作でした。