「レインマン」
コレは好きな映画ですね。この頃のトム・クルーズはまだ全然嫌味もなくて(失礼)出る作品
もポール・ニューマンと共演した「ハスラー2」とか、良い作品も多くて好きでしたね。
本作ではかの演技派の大御所ダスティン・ホフマンと堂々と正面から渡り合ってます。
実はトムはアカデミー主演男優賞が欲しかったんですよね、この後「7月4日に生まれて」とか
も一生懸命やってたけど、取れませんでしたね(笑)
可哀相に「ハスラー2」では共演したポール・ニューマンが、本作ではホフマンがそれぞれ主演
男優賞を取ったのに、張り切ってた本人は取れないと言う……そりゃまだ若かったですから。
トムよ、役者は顔が良いだけではダメなのだぞよ! 本作はトム扮する金儲けたい強欲男が自分
の遺産を相続する為に幼い頃別れ別れになった自閉症の兄(ホフマン)を施設から連れ出して車で
旅をするロード・ムービー。
最初は遺産の為に嫌々ホフマンを引っ張り回していたトムが、小さい頃寂しかった時自分の側に
いてくれた「レインマン」が実は兄だったことを知り、次第に情愛が戻って……と言う感動編。
ホフマンの主演男優賞だけでなくこの年の作品賞も監督賞も取っている名作なんですよ、音楽の
ハンス・ジマーもこの頃頭角を現し出して「ドライビング・ミス・デイジー」や「ブラック・レイ
ン」等で活躍し出して、最近の「ダヴィンチ・コード」まで大活躍が続いてますけど、オレはジマ
ーの音楽はやっぱし本作が一番好きですね、ドライブ感と切なさが堪らないです。
また本作の撮影中にトムは熱心にホフマンに演技についてのアドバイスを所望し「オフで自宅に
いる時まで電話してくるんだよ」ってホフマンがこぼしてた程熱心だったとか。
ラストでトムがホフマンにオデコを突き合わせて語るシーンはアドリブだったそうで、トムはこ
の頃演技派スターを目指してたのかもしれませんね。
でももう最近は本人も開き直ったのか「マイノリティ・レポート」とか「宇宙戦争」「ミッショ
ンシリーズ」等、ただのオトコマエ路線突っ走っちゃってる感がありますやね。