「ローン・レンジャー」
懐かしい昔の冒険活劇を思わせるな……と思っていたら、コレ古いテレビドラマのリメイクだったんですね。不勉強で知りませんでした(恥)
しかしジョニー・デップって顔塗るのが好きですねぇ、まぁそもそもがシザーハンズですからねぇ。
こ〜のトントのキャラ設定が最初は神秘的なインディアンだと思ってたら〜実ははぐれ者だった〜過去に鮮烈な出来事があって精神に異常を来たしていた……って段々解ってくのが面白い、それをデップは終始あのメイクのまま表情も作らずに通すのだ。
そしてドラマの主人公である正義に燃える若き検事は、最初どんな悪党にも正当な法の裁きを受けさせる〜という心情だったのが、トントとの遣り取りや、兄を殺され兄嫁や甥をさらわれるに連れ、徐々に信条に変化を来たし、無法者ヒーロー "ローン・レンジャー" へと変貌して行く。
一方縛り首にする筈だった無法者が脱走したことから端を発した事件の経緯はやがて鉄道を敷く開拓事業者と先住民たちとの軋轢へと発展し、これも次第に本当の悪玉の正体が明らかになってくる……。
これらの展開が互いに作用しながら怒涛のラストへと雪崩れ込んで行くのだ〜!
……ってラストの機関車バトルはトンデモアクションで楽しいんだけど、一方で心情的にもっと盛り上がる筈だったのではないか……って考えも起きていた。
何でだろうと思うに、何より主人公が法律至上主義だったのが、正義は法律じゃ守れない! 俺は無法者になって悪と戦ってやる! って心情の変化が見え難かったことと、トントのキャラクターが生まれる発端である過去の経緯と、悪玉との因果関係が途中解り難くなっちゃうことかな。
遂にローン・レンジャーと化した主人公が白馬に跨ってドンドコドンドコ〜♪ と音楽が鳴り出し、さぁ怒涛のラストだー! って作者の意図は解るのだけれど、イマイチ観客を乗せ切れてなかったのではないかな。
それと冒頭〜ラストを結ぶ現在の博物館での少年と年老いたトント? との遣り取りのニュアンスもよく解らなかった。
とは言えトントのヒネリの効いたキャラ設定や、より縄式に雪崩れ込んで行く展開等、終始飽きさせない展開で十分に楽しい作品になっていました。