「真昼の決闘」
勧善懲悪ヒーロー物の初期アメリカン西部劇の中にあって異色作とされている。コレ
はと〜〜っても面白かったですよねぇ。
後にアクション映画の歴史を変えた「ダイハード」のラストで悪玉のボスに「ジョン
・ウェインとグレース・ケリー気取りか?」と言われたブルース・ウィルスが「それを
言うならゲイリー・クーパーの間違いだろ」と答えたのがこの映画のことですよ。
映画の上映時間と劇中の時間の経過を一致させて描くという、刻一刻と迫る正午の決闘!
いやぁ、オレが観た時点でもかなり古い映画でしたけど、新しかったですねぇ。
今でこそこうした手法はテレビの「24」とかで踏襲されていますけれど、恐らくは演劇の
映画化にヒントを得たのではないかと思われるこの手法は、全く緊迫感と興奮を盛り上げるに
素晴らしい効果でした。
こ〜の保安官の孤独! 普段は仲良かった町の人たちも、保安官に恨みを持つ悪党たちが
殺しに来ると聞くと掌を返したように誰も協力してくれない。
仕方なくたった一人で決闘に臨む保安官! 寸でのところで逃げずに戻ってくるフィアンセ。
悪役の手下でチョイ役のリーヴァン・クリーフ! ♪ギッキゴギッキゴ〜と独特の音楽は今も
口笛のレパートリーに入ってます。
監督のフレッド・ジンネマンは当時ハリウッドに吹き荒れたいわゆる「赤狩り」で仲間に裏切
られたり、人を信じられなくなった孤独感をこの作品に込めたといわれているけれど、それを
これだけ面白い作品に昇華してしまうなんて、全く生粋の映画監督なんでしょうねぇ。
もぅ〜好きですねぇ。男はやっぱしこうでなくっちゃあ、なんて思って観てましたねぇ。