「ミッドナイト・エクスプレス」
この映画凄かったですよねぇ〜・・忘れもしないテアトル新宿でお目当てに行った「タクシー・ドラ
イバー」と二本立てでした。しかしこの一作でアラン・パーカーと言う監督の名前が決定的にインプットされました。
オレの10代の頃って所謂「脱獄モノ」と言うモノに特別な思い入れがあって「大脱走」「パピヨン」そして
コレ、それも全てが実話であると言うことが凄いッスね。この作品はトルコのイスタンブールから小遣い
稼ぎの為にハシシ(麻薬)を腹に巻いて飛行機に乗ろうとしたアメリカ人の青年が、バレて逮捕されてしまい、当時
国際的に麻薬の密輸先として問題視されていたトルコ政府の為に30年もの懲役を課せられて刑務所に入れられて
しまう。しかもその刑務所での刑務官の凄まじい暴力に見舞われて・・・その虐待描写の凄かったこと。テレビ放映
なのでカットもあるようだし、どこまで放映されるか分かりませんが、コレが実際にあった話だなんてホントにシ
ョックでした。男が男を犯す、
と言うニュアンスをまだ知らなかった時に見ちゃいましたからねー・・一体どう言うことなんだろうと。あの
看守役の役者さんは嫌でしたね(笑)人間としての自由を奪われて暴力を受けて・・・コレを見た頃はまだ今の
「ゆとり教育」に移行する遥か前の「管理教育」真っ盛りの頃でしたから、きっと無意識のうちに「自由への
渇望」みたいなことがあったのかもしれませんねぇ。そう言えば「カッコーの巣の上で」もこの頃に見て衝撃
を受けました。だけど本作でオレの中に決定的なインパクトを与えたアラン・パーカーと言う監督、その後も
「ミシシッピー・バーニング」とか「エンジェル・ハート」とかセンセーショナルな作品を作ってはいるんだけ
ど、本作に比べるとな〜んかインパクトに欠けると言うか、どうもぬるいんだよなぁ・・・なんでだろ? と
思っていたら、分かったんです、後に「プラトーン」でメガトン級の出現をするオリバー・ストーンが本作の脚
本を書いていたんですよ。それで謎が解けたんですね「この作品は監督が凄いんじゃなくて、オリバー・
ストーンの脚本が凄かったんだ」と。この題名「ミッドナイト・エクスプレス」と言うのは深夜特急と言う意味
ですが隠語で「脱獄」のことだったそうです。ちなみにこの主人公の実際の脱獄は文字通り夜中に行われた
のだとか。当時流行っていたジョルジョ・モロダーのサントラも良かったですねぇ〜♪