「ミッドウェイ」

 この映画は当時「大地震」等で流行っていた「センサラウンド方式」と言う特殊な音響装置での 上映が売りだったんですよ。それはどんなかと言うと、コンサート会場に良くある様な巨 大な箱状のスピーカーがスクリーンの前にドカドカと客席に向って並んでいて、そこからい わゆる「重低音」がビリビリと空気を揺るがす大音響でズンズンと響き、爆発や銃撃のシー ンになるとマジ髪の毛とかホッペタがブルブル震えたもんです(笑)。

 でもコレ結局一時期だけの流行で終わってしまったんですね、今じゃ映画館の音響は ドルビーサラウンドだのナンタラデジタルだの何だか良く分からないけどとにかく 音が良いんだろう……ってな感じですからね。
 で結局この方式で上映された映画ってオレの知ってる限り最初の「大地震」の地響きの 音。本作「ミッドウェイ」の爆発等の戦闘シーン。それと「ジェットローラーコースター」ってテロ リストが遊園地のジェットコースターに爆弾を仕掛けて脱線させちゃう(恐)作品のジェット コースターが走る轟音。それとアメリカのテレビシリーズの一回目を劇場公開し た「宇宙空母ギャラクティカ」もこの方式で、宇宙を航行する巨大空母の轟音になってま した。

 コレって例えば家にあるステレオのスピーカーを低音一杯にしてベースの音を聴く様な感 じですかね、スピーカーが大きい程空気の振動を感じるでしょ。ある意味 ”体感” 出来て、 効果を上げると凄い迫力ですよ。

 本作は冒頭アメリカ軍が始めて東京を爆撃した時の、空母ホーネットから陸上用の爆撃機 が次々に飛び立つシーンから始まるんだけど、こ〜れがバリッ! バリッ! とエンジン掛けて ドドドドド〜と轟音上げて飛び立って行く様が何ともド迫力でね〜ビビリましたよ。今のデジタル 何とかじゃない巨大な箱状スピーカーが空気を揺るがすアナログな迫力をもっぺ ん体感してみたいもんです。
 後に本作をテレビで観た時のなんともショボさには意気消沈しました。マジ戦闘シーンで爆 発が起こるのが怖いくらいの凄さでしたからね。前の席にいた子供がワンワン泣いてるんだけ どその声が全然聞こえなかったの覚えてます。

 内容は御存知の通り、太平洋戦争で始めて日本が大負けして、これ以降は全く勝てなくなっ てしまった転機になった有名な戦闘。
 オレは子供だったので、ただひたすらに戦闘機や航空母艦がカッコ良くってね〜プラモデル 作りましたね。特にチャールトン・ヘストンが乗ってた爆撃機とか、この映画の時はアメリカ軍の 方の戦闘機や空母でしたね。

 この作品もそうだったけれど、歴史については教科書なんかよりも、映画に教えられたことの 方が断然多い。
 ただまぁ本作の場合は難を言えば、後半戦闘シーンで戦争当時の本当のニュース フィルムから流用して無理矢理編集したり、日本の円谷特撮による戦争映画「太平洋の嵐」か ら日本の空母がやられる場面を拝借したりしてるので、今見るとなんだかツギハギな印象を受け てしまうところですかね。全部を本物で再現した「トラ・トラ・トラ」の臨場感を期待すると肩透かし を喰いますねぇ。



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