「見知らぬ乗客たち」

サニーサイドウォーカー第3回公演(2004年10月1日三鷹武蔵野芸能劇場)

先日フジテレビの深夜番組「劇団演技者」で旗揚げ公演「勝手にノスタルジー」が放映されたばかりの サニーサイドウォーカーさん3本目の作品。前二作は出演者が男女5〜7人だったのに今回の出演者は男だけ三人。 しかも全編暗転無しの一場芝居。と言うのもサニーサイドウォーカーさんの正規の劇団員は今回出演するこの三人だけ なのだとか、で今までは他所から客演して貰った役者さんたちとの作品だったのが、今回は正規メンバーである三人だ けで芝居をやろうと言う趣旨だったのだとか。しかし作・演出の辻野正樹氏はコレに苦労された様です。確かにこれまで に男だけの三人芝居って無かった気がする。女三人ならまだあったような・・テレビの「やっぱり猫が好き」なんて舞台 劇の中継みたいでしたしね。でも男三人って本当考えてみると無い。それに今回の劇場は椅子席でキャパ150の 大劇場で大きな舞台。この舞台をマンションの一室で展開する三人芝居にどう活かすのか、本人も悩んでいたし こちらも興味があった(笑)まぁ考えられるのは広くてもそれなりにしっかりセットを組んでしまうか、それとも逆に 抽象的にシュールな素舞台にしてしまうのか、でもあんまりシュールにし過ぎてもリアリティが欠けてしまう危険性がある。 どうするのかなぁ・・・と思っていたら、今日見て「ああ〜〜なるほど」と思った。リアルでもなくシュールでもない、 やられた!(笑)デフォルメと言う手があったのだ。それとこの劇団では作演出の辻野氏と三人の役者さんたちが皆対等に 意見しあって台本も直して行くんだとか、きっと演出と役者がとても良い関係なの だろうな。時として演出家が役者に「テンションが低い」と怒られることもあるらしい(笑)そんなチームワークが この完成度の高い舞台を作り出したのでしょう。今回いろいろと不安も多かったみたいだけれど、オレは正直今までの三 作品の中で一番良かった。やはり暗転の無い芝居と言うのはそれだけで没入して見れるし、それでいて三人しか出ないのに 全く飽きさせない構成は一流の域にあるのではないかな。たっちゃぶるSも後期の作品は一場モノを趣旨 としてやってたんだけど、最低でも出演者は5人だった。いやあ、ホント、観て損はないですよ、まだ明日、明後日が ありますから、掲示板にも書いたけど、もし行ってみたいと言う方いたら是非お勧めですね。まぁ最大限の評価ではない けれど、二ール・サイモンか三谷幸喜か、って言うくらいかな。



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