コレを見た時は宮崎駿監督って天才だと思った。コナンやルパン等の大活劇から後年の「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の自然と人間の確執的なテーマを前面に出した作品群にいたる丁度転換点に当たる作品。
これはアニメの持つ可能性を無限大にまで一気に持って行ったんじゃないか、宮崎アニメの中ではコレがダントツに好きですね、と言うかコレだけが他の作品より飛び抜けてスゴイと思う。何と言うイマジネーション! 何と言う抒情! これは理屈抜きに感動した。スゴイと思った。
正直後期の大ヒット作「もののけ姫」はオレちっとも面白くなかったんだよね……人間と自然との対立の図式が余りにも理屈に過ぎて気持ちが付いて行かなかった。こんなもん作るくらいなら自然についての論文でも書けば良いじゃん……くらいに思った。
本当に人の心を打って感銘を与えるモノって理屈じゃないんだよな、やはり感性に働きかけるモノは理屈抜きに強い! だからコレ最初に見た時スゴイ天才だと思ったんだけれど、後で「もののけ」見たら「ナウシカは偶然だったのか?……」って思ってしまった(笑)きっと作者もある意味コレは迷いながら作っていったんじゃないだろうか……作者自身にも完成した時点でどうなるかと言う、未知数な部分がありながら作って行ったのではないだろうか。
状況設定と、キャラクターと、久石譲の音楽と……そこに奇跡が起こってトンデモナク素晴らしい物が出来てしまったのではないだろうか。なんて言い方は宮崎監督にすげえ失礼だな(御詫)。