「寝取られ宗介」

SSTプロデュース vol.5(2005年12月22日新宿サニーサイドシアター)

最近つかこうへい作品と別役実作品を連続上演しているサニーサイドシアターさん。コレも今ではなかなか見ら れないつかこうへい作品。つか作品って他の小劇団による上演を多く見ますが、オリジナルのつか版の持つ情熱 的なテンションにまで高められる劇団はそう無い。オレの知ってる中ではこのサニーさんが一番です。って言うかオリジナル 版に非常に近い物を見ている気にしてくれる。演劇って映画と違って昔の物は同じ物を今観ることが出来ませんからね、 演出の坂田さんは昔観た本作の面白さのテイストを自分のフィルターを通して再構築しているとのこと。これだけの ボルテージを出せる演出は毎度凄いと思わせます。「寝取られ宗介」は確か原田芳雄と藤谷美和子の映画版は観たことある んだけど、今回初めて舞台版を観て、こんな構成だったのか〜と始めて知りました。主なストーリーは宗介が座長を務める 劇団で主演女優である宗介の妻が若い劇団員たちと何度も夜逃げするのだが、皆決まって暫らくすると劇団に帰って来る。 宗介はその度に妻と帰って来たマヌケな間男たちの人生の面倒をみてやることで妻に復讐している・・と言う。言わばコレ が彼にとって究極の愛の形なのだ。そして舞台は宗介の妻と逃げる間男たちのエピソードや、劇団で演じられる宗介と妻 の劇中劇、それに激しい踊りやマイクを手にワンコーラスを唄いきる唄があったりで盛りだくさんな内容がハイテンション で展開して行く。いや〜飽きさせず、エネルギッシュでテンポ良く、本当楽しい作品でした。今までに見たつか作品の中 では一番エンターテイメント性があるなぁと思った。それにしちゃ本場のつか劇団ではあまり再演されてないみたいですね。



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