「ニュー・シネマ・パラダイス」
イタリアの気鋭ジュゼッペ・ペルナトーレの名を世界に知らしめた切なくノスタルジック溢れる
大傑作!
まだ映画が大衆の一番の娯楽であった時代、イタリアのとある村で古びた映画館を経営する初老の
男(フィリップ・ノワレ!)とそこで少年時代を過ごし、映画が大好きで大好きで後に映画監督として大
成する主人公。年老いた映画館主の訃報を聞いて故郷の村へ戻って来た主人公に思い出されるの
は映画館主との子供の頃の友情の記憶……時代は代わり取り壊されて行く映画館……。
コレはもうたまりまセブンな号泣でしたねぇ〜爆破され崩れ落ちて行く映画館。そして最後の最後、
映画館主が主人公に残した最後のプレゼント…それはかつて映画館で上映する作品が検閲されて
カットされたフィルムの繋ぎ合わせだったのですが、その映像とは……この! 何と言う粋! そし
てモリコーネの音楽!
モリコーネと言えばやっぱマカロニ・セルジオ・レオーネな印象が強いですけど、この作品以降は
レオーネとペルナトーレって感じにになっていますね。
先の東京国際フォーラムでのコンサートでも一番盛り上がったのはやっぱしレオーネ作品群と
コレや「海の上のピアニスト」等のペルナトーレ作品でした。
それと実はこの作品、最初に公開されたこのバージョンとは別に後に完全版として公開された1時間
以上長いバージョンがあるのです。オレそゆのあんまし好きではないので最初のを観ている時は殆ど観
ないんですけど、コレは観ました。そしたらアンタ、全然違うんですよ! この最初のバージョンでは若い
頃のちょっとした失恋くらいの意味合いだった彼女が、成人して故郷に戻って来た主人公と再会し、不
倫な恋物語が1時間も語られて、ラストはかなり違った印象になっているんです。オレは最初のバージョ
ンを先に観てたせいもあるんだけど、この短いバージョンの方が映画に対する愛に直結していてずっと好
きですね。