「ノー・マンズ・ランド」
この映画は面白いですよ〜。現実にあるボスニアとセルビアと言う国の戦争の局地戦
で出くわした少人数の敵味方の極限状況での戦争ドラマ。コレは現実にある紛争問題を背景と
しているので極めて痛烈だし、コレを単純に面白いと言ってしまっては不謹慎かもしれないけ
れど、面白いからこそ痛烈に伝わって来る問題意識と言うものもあるのだ。いやむしろこう言
うモノはどんなに緊迫した現実問題を扱っていようとも作品が面白くなければ伝わらない。日
本人にはあまり馴染みのない遠い世界で起こっている戦争だし、そう言った世界情勢に疎いと
言う方でも(オレもそんなに詳しくないし、偉そうなこと言えません)こんな戦争が現実にあ
ると言うことさえ踏まえて見れば物語に引き込まれます。お互いの最前線で敵味方が睨み合う
中間地点で出くわし、孤立してしまった敵同士の3人。その極限で展開するシチュエーション
が全く素晴らしい! この限定された状況で展開する命を賭けたドラマはまるで舞台劇を観て
いる様です。この作品の批評とか宣伝文句を見ると「ユーモラスに描かれている」とか言って
ますけど、オレは全然ユーモラスには感じられませんでしたね。むしろ滑稽な程悲惨と言った
方が良い気がしました。コレは何処かの映画祭で賞を取ったんでしたね(サンダンスだったか
な?)こういう予算はかかってないけど創意に満ちたアイデア勝負の作品は大好きですね。古
くは「戦闘機対戦車」とかソ連のアフガン侵攻を背景にした「レッドアフガン」とかも実に面
白かったですねぇ。