「の・ようなもの」

 森田芳光が何故森田芳光なのか、かつて(今もやってるか?)雑誌ぴあの主宰するフィルム フェスティバルで「ライブイン茅ヶ崎」なる8ミリ作品で当時審査員たちの絶賛を浴びて劇場用 映画デビューした頃の、今は無き(失礼!)彼のはちきれんばかりの才能がここにある。

 近頃普通に商業作品を撮る様になって森田監督の最初の頃の「既成の作品に無い」新鮮な感性が感じ られなくなってしまったのは実に残念。プロとして、商業映画の監督として職業としてやって行く には仕方のない変移だったのかも知れないけど、デビュー当初の監督作品は熱狂的なファンを持つ 程凄いと言われてたんですよ。

 特に劇場映画デビュー作である本作品の何と言う日常性! 生生 しい青春? 確か夜明けに遠くから主人公が朝もやの街を延々と歩いて帰って来る場面があるんだけど、 そこに主人公の呟きセリフがかぶさる街並の描写は強烈でしたね。

 オレたまたま8ミリ作品の 「ライブイン茅ヶ崎」を見る機会があったんだけど、まさにその自主映画を作ってた頃と同じ 感性が瑞々しく生きていました。この後「家族ゲーム」「ときめきに死す」と続く初期の作品群 の独特の空気感には本当に魅了されたものです。



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