「狼よさらば」

 偶然の暴漢に襲われ、家族を亡くしたサラリーマンが復讐の為に武器を手に、夜な夜な街を歩いて絡んで来たワルガキどもを無差別に殺して行く……。

 チャールズ・ブロンソンの代表作に挙げられることの多い作品ですが、少年の頃テレビでコレ観た時は後味悪くってね〜アメリカにはこんなくだらない悪い奴らがいるのか、嫌な国だなぁ……なんて思ってるうちに今じゃ日本も同じですからね。

 先年の東野圭吾原作「さまよう刃」なんて言わば本作の焼き直しみたいですけど、あんなストーリーが日本でもリアルに感じられる様な国になってしまったのかと思うと恐いですよねぇ。

 この作品はシリーズ化されて第四作まであって、三本目「スーパーマグナム」と四本目「バトルガンM16」はもうブロンソンの人気が一人歩きしてしまい、B級アクション丸出しになってしまうのだけれど、本作と特に第二作「ロサンゼルス」の娘がレイプされる場面は全くリアルに酷くって、見てて早く犯人たちを八つ裂きにして欲しいと怒りを覚えたものです。

 本作は本当にダークで、リアルに恐ろしくて、通りがかりのガキに自分の肉親を殺されたりしたら誰でもこうなるんじゃないか……みたいな共感があるだけに惹きつけられて観ましたね。恐いですよ。

 普通のサラリーマンだった男が段々変わって行っちゃうんだけど、コレもし主演がブロンソンじゃ無かったらシリーズにゃならなかったし、映画も今じゃもっと違った位置付けになっていたのではないかな。
 それくらいブロンソンのキャリアの中では異色な印象の残る作品でした。かの「タクシー・ドライバー」の出現もこの2年後です。

 最近ジョディ・フォスターがコレの女版をやりましたね。全然観に行こうと言う気が起きなかったですけど、アレはどうだったのかな……。


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