「黄金の羊」

HOT ROAD第12回(2003年4月25日東京芸術劇場・小ホール)

大劇場への進出、客寄せに桜庭あつこを起用・・と意気込んでたのでしょうか?・・中身は酷い退屈で観 客席はため息が支配していた・・・。小さな小屋で活動していた小劇団が大きな劇場へ進出する〜と言うのは オレもそうだけどアマチュアとして夢なのだろうけれど、概して失敗するケースが多いのも事実。急に大きく なった舞台の空間をもてあまして芝居がふやけ、間延びしてしまうのだ。と言うか今回のはとにかく台本が酷 かった。大劇場に合わせてキャストも増やしたのだろうけれど、多すぎてそれぞれのキャラが立っていない、 多いので設定も複雑になって分かりにくい。それに連れて暗転と人の出入りが目まぐるしく、舞台が限定され た船の上とは到底思えない。そんなだから誰にも感情移入出来ないし、なにしろ観客は最後まで蚊帳の外で全 く気持ちが乗ってこない・・。役者さんには光る人がたくさんいたのに気の毒になった。とは言え彼等もその 台本を良しとして出演を決めたわけだから、責任の一端はあるとも思うけど。客寄せの為の桜庭さんはそのギ ャラを捻出する為に重いノルマを課せられたであろうその他大勢の若手の人たちが可哀相だと思ったけれど、 どうしてあの眼光のするどさと堂々とした鼻っ面は他の役者たちとの育ちの違いを感じさせる女優感がありま したよ。ただアクションはちょっと練習した方が・・と思ったけれど。まぁ殺陣も全体に酷かったけどねぇ、 まったく迫力もなくて余りにもお粗末すぎる。桜庭さんの脚が上がらないのなら剣もあるんだし、もっと違っ た見せ方を考えれば良いのに、殺陣師も悪い。酷い台本なのに誰も止める人がいなくって最後まで完成されて しまう・・ってプロの世界の映画とかでもよくあることだけれど、それもやっぱりその台本を良しとした全て の人に責任があると思います・・・・。



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