「パピヨン」
無実の罪で刑務所に入れられたパピヨン(スティーブ・マックイーン!)はどんなに絶望
的な状況に追い込まれても絶対に諦めずに脱走を試みる。
一度目の脱走に失敗したパピヨンは陽の当たらない地下の独房に入れられる。一日中
真っ暗で床にはゴキブリが走ってる。
うえ〜こんなところに入れられたらオイラ気が狂ってしまうかも……とビビッて観てい
ると、そこでパピヨンは何を始めたか……。
「くたばるもんか!」と自分を叱咤しながら腕立て伏せを始めるのだ! 少しでも身体を鍛え
てここから脱走する為に……こ〜れがキョーレツでねぇ。子供心にショックだった。
今思えばその時に刻み込まれた衝撃は「人が生きるとはこういうことだ」ってなことだ
ったのだと思います。
どんなにボロボロになろうとも、どんなに希望を断たれて打ちひしがれ様とも、年月が過
ぎて白髪の老人になってしまおうとも、まだ命がある限り諦めてはいけない!。
もう〜あのラスト、絶壁の上でドガ(ダスティン・ホフマン!)と抱き合う別れのシーン
では身体が震えて。
老人になっても諦めず命を賭けて脱走しようとするパピヨンにドガが「お前さん死ぬぞ」って。
観たの中学生の時テレビで吹き替えでしたけど「ああ〜コレが感動というものなのか」と
思いました。
この映画は実話がモデルになっていて、数年前にやっと読みたいと思っていた実在のパピ
ヨン本人による上中下三巻に及ぶ原作手記を読むことが出来て、その感想は本サイトの「読書
感想文」のページに書いてます。
原作は事実の体験談を記したドキュメントの面白さに満ちているのだけれど、読んで
みるとこの映画は「ノンフィクションの脚色とはこうするのだ」と言う超お手本の様で、
この映画の素晴らしさを再認識させられたのでした。