「ピアノ・レッスン」
この映画は気持ち良かったですね〜とにかく音楽! このドライブ感がありながら切なく狂おしいマイケ
ル・ナイマンによるピアノ曲が圧巻でした。ストーリーは口のきけない子連れの女が辺ぴな島へ嫁いで来るのだが、
彼女にとって命より大切なグランドピアノを悪天候の為に上陸した海岸に置き去りにしてしまう。彼女の自己表現
はピアノを弾くことでしかなかった為、ピアノを置いて来てしまった海岸へ娘と一緒に島の案内人? であるハー
ベイ・カイテルに連れて来て貰い、そこでピアノを弾きまくる。この海辺にグランドピアノがある情景! 本作で
アカデミー主演女優賞を獲ったホリー・ハンターが吹き替え無しで弾いていたらしいピアノに合わせて踊り回る娘
(この娘もアカデミー助演女優賞を獲った!)それを見守るハーベイ・カイテル! いや〜もうこの辺で観ている
方は昇天してしまいますね。そして後のストーリーは彼女に惚れたハーベイ・カイテルが彼女の気を引く為に彼女
が嫁いだ夫から海辺に置き去りにされたピアノを買い取り、自分のところへ運んで彼女に自分にピアノを教えてく
れとせがむ。彼女はピアノを弾きたいが為に仕方なくハーベイにピアノを教えて行くのだが、やがてそれが肉欲へ
と発展し、それをしった夫は嫉妬に狂い始め……ってな展開なんだけど、コレは映像と音楽が相まって映画の気持
ちよさに満ちた作品でしたね。ただちょっと、ラストに主人公が自ら命を絶とうとして海に沈んだ時、あのナレー
ションはいらなかったのではないかな、観客はあまり語られなくても心で察することが快感で観ていますからね、
あまり野暮な説明をされると折角の快楽が冷めてしまう時もありますよね。とは言えコレは本当気持ちよかったで
すね。サウンド・トラックのCD買って繰り返し穴の開くほど聴いていましたっけ。しかしこの女性監督ジェーン
・カンピオンさん。最近メグ・ライアン主演で鳴り物入りだった「イン・ザ・カット」って詰まらなかったですよ
ねぇ。まぁ同じ監督さんでも当たり外れってあるのは仕方ないことなんでしょうけど…。