「霊安室」

劇団未成年 第一回公演(2007年2月15日浅草橋アドリブ小劇場)

旗揚げからず〜っと見させて貰っているシナリオライターの金子成人さん率いるその名も「劇団成人式」から の分派? と言うか年に一度くらいしかない本公演だけでなく、常時新作へ向けて休む間もなく公演を打とうと言う 趣旨から生まれたらしい「劇団未成年」の旗揚げ公演でした。そうした意気込みもあってか今回は初の「オムニバス」だ そうで、ちょっと題名を見ただけでは「なんだか辛気臭そうな話だな……」と思いきや、コレがなかなか着想の面白い企画 でした。霊安室と言うのは御存じ病院や警察署等で不慮の事故死で身元が分からなかったり、親族が引き取りに来る のを待つ間しばし遺体が安置されている部屋のこと。この三話構成のオムニバスのルールは、全てこの部屋を舞台とした一 幕物であること、それとそこにある遺体には白布が掛けられており、中身は見せないこと……。三っつのお話それぞれに 曰くつきの"ご遺体"が登場し、それに関わる親族や愛人だった女や男たちのドラマが三話三様に展開されて行く。三つのお話 はそれぞれに違う作家・違う演出家が担当し、それぞれに違ったシチュエーションのドラマが展開される……と言う発想 が面白かったですね。この企画は"買い"ですよ。正直今までの成人式さんの作品よりず〜っと面白かった(スンマセン) それぞれのストーリーが創意に満ちていて、どれも飽きずに楽しめました。それとこの劇団の持ち味である、ベテランの 役者陣と若手たちの絡むコラボレーションも上手く活かされた本になっていて、とても良かったですね。特に第三話のセリフ 棒読みド新人君とベテラン過ぎる水島涼太さんの刑事コンビは絶妙(笑)でした。演出家さん、上手くサバキましたねぇ〜



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