ネタバレ必須! 新作映画感想文

「DOGMAN ドッグマン」

いゃ~1人暮らしのオッサンにはきついですよ~~~

「PERFECT DAYS」

ヘンな映画だぁ~~

「わんわん忠臣蔵」+「ドーベルマンギャング」+「ザ・ホエール」+「ジョーカー」+「プリシラ」~
でもちゃんと主人公の物語に収束してる。

     リュックベッソン+音楽エリック・セラ~で期待させても~作り手はそんなのお構いなしなんでしょうねぇ。

     トンデモな展開で~監督とか音楽とかそんなこと忘れるくらい面白かったですよ~

     ヒント:そんなわけねぇだろ!という楽しさです~♪



    朝のルーチンとか「ああ~~~オレだぁ」と思って泣いた(缶コーヒーは買わないけど)。

あんな可愛い姪はいないけど、ひとりいる甥に「家出したら俺んとここい」といっても来ないので泣いた。

カセットテープ今も普通に聞いてますが? あのカーステは音良すぎで泣いた。

文庫本読んで枕元に眼鏡置いて寝るので泣いた。

アパートはも少しマシだけど(あの間取りヘンですよね、メゾネットなのに二階にもドアあるし)泣いた。

感情移入しまくりだけど~本当は役所広司さんて良い暮らししてるんだろうなぁと思って泣いた。

普段ヴェンダースの映画なんか見に来ない人たちが、役所広司が出るだけでこんなにお客さん入るんだぁ~と満員でした。

「ベルリン天使の詩」も「パリ・テキサス」も冗長で眠くなる作風ですが、本作も舞台が浅草じゃなかったら寝てたかも(隣の若者はいびきをかいていた)。

他にもさすがに資本が大きいのか、脇役・端役に至るまでよりどりみどりのキャスティング! 大物演歌歌手さんには驚いた。

小津安二郎が好きとはいえ日本を舞台にして、よくもここまでリリカルで情緒ある描写ができると驚きました。

仕事の合間にふと見上げると美しい木漏れ日に微笑んでみたり、言葉を交すこともない人との触れ合いとか、主人公の孤独を共有できる文学的な作りでした。オレも前はトラックで運送とかやってましたからね~気持ちが分りすぎて泣いた。

主人公に何があって、今こうした生活になっているのか、ヒントは姪の母親(主人公の妹)が「あの人は違う世界に生きているの」といったこと。高級車で姪を迎えにきた時「父親がもう長くはないので会ってあげて」というが彼は会いにいかない……。毎朝キチンと布団を畳むのは刑務所にいたのかな? とか思わせるし。過去にあったことを全ては明かさないところに、誰しもあるであろう後悔を思わせる趣向で泣いた。

なんかまんま「すばらしき世界」の役所さんのその後を描いたみたいでした。
東京の夜景のなんと美しいことよ! 主人公の軽バンが首都高を走る走る! 煌びやかなビル群の影で、古びたアパートにひっそり暮らしているけれど、生きてることに感謝して~淡々とした日常にもあちこちに小さな喜びもあって~感じ入りすぎて泣いた。

これからご覧になる方、画面がスタンダードサイズ(真四角)なので前の方で見た方がいいですよ~。



   

「ゴジラー1.0」

こ~んなに人間ドラマが描かれたゴジラは第一作以来? 泣いてしまいましたwww

ゴジラが表現するものは、戦争で無残に死んでいった兵士たちの怨念だ。と解釈してる人がいましたが、本作はその解釈による展開でした。

ゼロ戦の特攻から逃げて、自分が臆病だった為に部隊を全滅させてしまった主人公が、その贖罪と悔恨の思いからゴジラに立ち向かうことになる。という図式が胸に迫ってきました。

ただ、そうした脚本の構造が意識できるようになってくると、役者さんたちの芝居がその場その場で直情的すぎて繋がらない。山崎監督は脚本も特撮も担当して大変だったのだろうけど、役者の演出にも同じくらい力を注ぐ余地はなかったのか。

ゴジラを倒す計画と攻防戦も大興奮! 振返ってみるとゴジラあんまし出てこないんだけど、良く出来た映画って概してそういうもんですよね。1954ゴジラもあんまし出てこないですし。

いや~ハードルだだ下げて見てたこともあったのかもだけど~感想書きたくなるとは思わなんだ~



   

「宇宙探索編集部」

いいです!
ここんとこハズレが続いてたので~久々にニコニコと帰ってきました。

中国って国家間の報道だけ見てるとやな感じばっかりだけれど。
こんな映画を作る人たちもいるんだ~と思うと心が通じる気がする。

  日本でいう「ムー」みたいな雑誌の編集社が潰れそうになって~宇宙人が出たという村に皆で探しにいくという、ポンコツチームのロードムービーなんだけど。

まぁその各々キャラのポンコツぶりが実に独特で最初はクスクス……段々笑いが大きくなって爆笑ですよ。テイストとしては「リトルミスサンシャイン」的な(皆好きでしょ)。

中国映画っていうとかつて「紅いコーリャン」とか「さらば、わが愛/覇王別姫」なイメージだったけど、こ~んな庶民レベルで笑えてホロリとさせる物が出て来たのは~きな臭いニュースばかりの中で嬉しいですね。



   

「こんにちは、母さん」

良いです、本当に良いです。
でもきっと若い人たちにはアピールしないのかなぁ。客席を見るとあ~まだこんなにもご年配の方々が映画館へいらっしゃる。なんて感慨も浮かんだりwww
以下、昭和オヤジの戯れ言が続きます。

今じゃ映画撮影のカメラも軽くなり、片手で手持ち出来たり、デジタルになってNG出し放題。フィルムの緊張感がなくなっても、それでもこういう映画も作れるじゃないか!

カメラはしっかり三脚に立てて、意味なく手持ちでユラユラ揺らすことがない。シーン終わりに必ず人物のリアクションを入れる。人物を何処に配置すべきか、どんなアングルで撮ればより感情が伝わるのか、構図がしっかり考えられている。脇を彩る小さな役にも、それぞれに人間の息吹きがして、隅々までに目が行き届いている。ホッとしますね、昭和オヤジとしては、そうですよ、映画ってこうだったんですよ。

要所に過る小津安二郎のカメラアングル! 吉永小百合さんは大御所になりすぎて、きっと厳しく注文出来るのは山田監督だけなのか、山田作品の時だけは(失礼)本当に良い芝居をなされます。ラストの花火には、かつて寅さんの思いを微塵も知らずはしゃいでいた歌子の面影が過る。

こんなオヤジの感慨が分るかぁ!



   

「キエフ裁判」

空いた時間に合うのがコレだけだったので観ました。
第二次世界大戦当時、ウクライナに侵攻して民間人やユダヤ人を虐殺したり村を焼き払ったりしたナチスの戦犯の裁判。

要は勝者が敗者を裁く「東京裁判」や「ニュールンベルグ裁判」的な。
キエフの呼称は今キーウになってるから~本来はキーウ裁判? この頃はソ連領だったからいいのかな。

当時撮影されたフィルムを編集したドキュメントというから、古い映画なのかと思ったら新作でした。戦後78年も経ってよくこんなの作れたなと思います。

なにしろこ~の戦犯たちの証言が凄い。二人も殺せば現在の裁判でも死刑になるのに、平然と「200人銃殺しました」とか「村を全滅させました」と述べる。「命令だったから」とか「自分がやらなくても他の誰かがやりました」とか。悪びれる様子もなく。自分のせいじゃないと思えばなんでも出来るのかな、と思いました。

この映画の凄いのはなんてったって最後の公開処刑ですね。裁判の時はこんなヤツら皆死刑になって当然だな、と思っていたけれど、群衆の前でズラリと並べて首を括られて、それを拍手喝采で喜ぶ人々を見ていると。なんともいえない恐怖に包まれる。

「東京裁判」は4時間半もあるけれど、コレは2時間弱で観やすくて~戦犯たちの尋問~被害にあった人たちの証言~処刑までしっかり見せます。ドキュメントで人が死ぬ瞬間を見たのって、コレと昔ピーターバラカンさんがやってた深夜番組で南アフリカのアパルトヘイトで裏切った黒人を仲間が袋叩きにしたやつくらいかな。アレも恐かったけど、コレは15人? くらい一斉にハンギングですからねぇ。



   

「クリード 過去の逆襲」

なんだか評判悪いですね~だから助け船を出そうという訳ではないけれど。

   取って付けた様な続編ばかりの「スターウォーズ」や「ターミネーター」に比べて、ロッキーは上手く繋げていると思いません?

ロッキー「1」と「2」で対戦したアポロが「3」ではロッキーのトレーナーになってロッキーがミスターTを倒し「4」ではソ連から乗り込んできたドラコに殺されてしまう~そしてアポロの息子クリードがロッキーにトレーナーになってくれと頼む。そしてクリードは父を殺したドラコの息子と戦い~と少年ジャンプな男の友情とスピリッツが続いていく。

で今回「クリード」シリーズ3作目。評判の悪い理由は概してロッキーが出てこないから、かつての勧善懲悪的なカタルシスがないから。って声が多いけど、でもそこが新展開だといえるんじゃないのか。

子供の頃は兄弟の様に仲の良かった二人に、取り返しのつかない因縁が出来てしまい、大人になって戦わざるをえなくなる。って大河な展開がオレは面白かったけどなぁ。なによりボクサーとして実力があったのに服役した為に活躍出来ず、中年になってしまったオッサンが頑張る! ところに共感したのだけれどwww

試合の後急に遺恨がなくなるのもおかしいというけれど、昭和のオッサンには喧嘩の後の仲直り~にグッとくる物がある「仁義なき戦い」シリーズ4で警察に捕まった菅原文太と小林旭のシーンとか。

まぁねぇ、オレなんかは明らかに古い価値観で生きてると思うけど、だからこそこんな映画を観ると嬉しいんだけどねぇ。



   

「ダークグラス」

結構酷評の方多いけど~オレは面白かったな~そりゃハードルだだ下げで見てたけど。

10年振りのアルジェントぉー! 娼婦ばかりを狙ったシリアルキラー、狙われたヒロインは失明しちゃう~警察の捜査は後手後手でアテにならない~定番中の定番な設定・展開なんだけど~でも上手いですよ作りが。

そりゃ脚本ですよね。ズンズン鳴り響くサウンドと鮮烈な血みどろ描写~のアルジェント節も健在なんだけど、こ~の伏線の張り方。脇役もしっかり展開に絡んでいくし、終わってみればなんとシンプルに洗練された脚本だったのか~と思わせる。

ジョージ・ロメロもトビー・フーパーもなき今、オレ等の時代で最後のホラーキング? こわいの苦手な方もいると思うけど~でも本当、良い意味で定番のお手本みたいな、ラストにはお見事ーと拍手したくなった。

そ~してヒロインのなんとエロいことよ! 濡れ場を描かず表現してるのも映画として上手いけど。若さと熟女のちょうど中間というか、盲目になってからの芝居も上手いし、惚れた。



   

「フェイブルマンズ」

いや~~~いいですよ!

スピルバーグが映画監督として大成するまでの話が見たかった。という向きには不評だった様ですが。オレも「激突」~「ジョーズ」くらいまでやるのかと思ってたけど、描かれたのは幼少期~大学を辞めて映画会社に就職が決まるところまで。

青春グラフィティかホームドラマみたいだったといいますが、こ~れ青春期の挫折も希望も、母親の不倫も全部劇中スピルバーグ? が撮影したフィルムを介して描かれてます。

初めて両親に連れられて見た映画~玩具の機関車と自動車をぶつけて8ミリカメラで撮影~ボーイスカウトやハイスクールでも映画を作り続ける。フィルムをエディターにかけてぐるぐる回したりスプライサーで繋いだり、出来た映画を体育館で上映したり~オレも中学~大学と8ミリやってましたから~同じ体験してきたんだと思う(格が違うけど)。

映画監督として今に至る根本の理念は何処で生まれたのか。ハイスクールの同級生の苛めっ子が運動会で活躍する姿を撮影し、嫌なヤツなのにありのままを編集したら英雄の様な印象になって。でもそれを見た彼は酷く傷ついてしまった! 彼のいうには自分で努力して勝ち得た実力なのに、皆の前で上映されたら馬鹿にされたと思ったという……ここのニュアンスが汲み取れないと、この映画の趣旨が伝わらないかなと思いました。いや~コレはスピルバーグが感じた映画というものの神髄な気がして考えさせられる。

ラストはオマケだけれど、就職した会社で上司から「隣の部屋に映画の巨人がいるよ」というのでクロサワでも出てくんのかと思たら~そのまた師匠のジョン・フォード! 演ずるはデヴィッド・リンチ! 若きスピルバーグにフォードが語ったことはたったひとつ「カメラアングルは地平線が上にあるか下にあると面白い絵になる」ジョン・フォードスカイというやつ。オレも8ミリで真似してました(格が違うけど)。

大衆娯楽の代表みたいなスピルバーグとは正反対のアーティスティック代表のリンチが意気揚々と演じているという。スピルバーグの近作はちょっとハズしてた感があったのだけれど、またイメージが変わった。昨今の若者向けキラキラムービーとか見ると「あ~もうオレなんか対象年齢じゃないし、相手にされてないんだなぁ」と寂しくなるのだけれど、この映画は「若造ども~ジョン・フォードが誰だかも分らねぇんだろう」と対象にされてる気がして嬉しかった。



   

「ひみつのなっちゃん。」

な~んと監督はシナセン事務局の田中和次郎さんですぜ! たまたまある場所で同席した映画会社の人と企画の話をしてたら~採用になり映画化まで進んだそうな。奇跡ですよ!

助監督経験もなくいきなりのオリジナル企画で商業映画の監督脚本! そりゃ~妬む人もいるでしょう。ここぞとばかりに辛辣なレビュー書いてる方いらっしゃいますね。何十年も苦労して助監督のキャリアを積んでる方とか。何十年もシナリオ書き続けて1本も物にならない人とかいるでしょうからねぇ。

そんな気持ちも分るのだけれど、作品に罪はないワケだから~素直にレビューしましょうよ。でもこき下ろしてる人のいうこともちょっと分るwww コレが実現して商業ベースで公開されているという事実の前には何もいえなくなってしまうけど。そんな事情は知らない人には関係ないからね。

滝藤さんの何と素晴らしいことよ! ケバい女装をしている訳でもないのにそこはかとなく醸し出すゲイっ気! 時折見せるキレのある表情とか、美しさが過る。人としての奥行きも感じる。他のお二方も好演で、三人が鮮やかなコントラストになっていた。

自分もひとつだけ言わせて貰うとすれば、そりゃ~やっぱしシナリオのセオリー的にも、観客の期待としても最後は滝藤さんのダンスが無いとですよね。きっと現場の事情で撮れなかったのかな~と思いましたけど。



   

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

オレも映画音楽の作曲家の中では一番だと思います。2年前に亡くなられたけど、20年前の東京公演を聴けたことは生涯の宝物です。

   若い世代では「ニューシネマ・パラダイス」なんでしょけど、なんといってもセルジオ・レオーネですあね。
子供の頃に誰が作曲したかなんて気にせず感化されていた「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」ですよ!

実は最初から映画音楽をやりたかった訳ではなくて、純粋音楽の作曲家を目指していたのが、喰えないので副業的に初めたけれど、映画音楽は二流みたく見られるので、いつも辞めることを考えていたのだとか。凄い才能を持った人でも、葛藤があるんですね。

  音楽の基礎を勉強し尽くした上で、次々に新しい手法を取り入れて、どんどんと劇伴の可能性を広げていった経過が凄い! やっぱレオーネ作品の映像が流れると泣けてきますww

ドキュメンタリーで2時間半もあるのか~と思ったけれど、幼少の頃父親にトランペットをやらされてから~音楽院~師匠との決別~映画音楽を始め~と生涯のキャリアが絶え間なく紹介されて。生涯一気に走り抜けました。キャリアの全体を網羅するのに時間が足りないくらいだ。

エンドクレジットまで気付かなかったんだけど、これ監督ジュゼッペ・ペルナトーレだったんですね、確かに適任は他にいなかったでしょうね。部屋でひとり資料に囲まれ、頭の中で演奏しながら指揮してる様に両手を振るモリコーネ。冒頭はなんだかヤラセっぽくてヤだなと思ったのだけれど、これをペルナトーレが演出してたんだと思うとまた胸が熱くなったのでした。



   

『RRR』

初期のインド映画は「いつまで踊ってんだ?」的なノリが嫌だったのだけれど、近頃は「パッドマン」とか「盲目のメロディ」とか皆で歌わなくても良い進化をしてますよね。

    でも本作は良い意味で初期のノリを継承してる系なんですかね。
昔から大道の友情冒険物語なんだけど、ま~アクションの殺陣も、踊りの振り付けもヘンだしメッチャ激しいし、人物の感情表現がまた、女に一目惚れした瞬間ババーンとベタな音楽入れたりと、内容はかなりハードな戦争や復讐なのに、全体に無邪気というか、可愛いんだよなwww まるで子供が作ったみたいだ。

    カット割りやスピードを変えてみせるアクションは好きじゃないんだけど、こ~れはなんでこんなとこでストップモーションなんだ! というところでアクションを止める! 変なカッコのとこで笑わせようとしてるとしか思えない。大爆笑だ!

    もう~ポージングといい「そんな訳ねぇじゃねぇか!」なアクションといい、楽しいじゃねぇか! レビューに「観ると元気が貰える」とか書かれてるけど、こ~れもう「なんでこんなに元気なんだ! なんでこんなに激しく踊るんだ!」と思ってるうちに嫌でも元気にさせられる。

    こ~れがまた3時間近くもあるんですぜ。オシッコしたくなって~途中「インターバル」て出たからあ~助かった~と思たらそのまま続くんだよなぁ。インターバルしろよ!

    昔ハリウッドのミュージカルを観た後、見真似でタップを踏んでみたくなった様な、否応もなくそんな気分で映画館を出たのでした。



   

『ブラッド・トレイン』

まぁねぇ……
予告見てすぐバカ映画かな……とは思ってたんだけど。
原作伊坂幸太郎でブラピや真田広之でしょ……

新幹線て、ちょっと酔っ払いが暴れただけでも止まって車掌きて警察呼んで大騒ぎなるよね。
それがアンタ、普通に営業してる新幹線で殴り合って、物ぶっ壊してもたまたま? 誰も他に乗客いなかったり、普通に駅止まってまた発車しとるし~アレは無いでしょ。あまりのあり得なさに全く世界に入っていけない。

アレやりたいのなら「暴走機関車」とか「新幹線大爆破」的な設定を作っておかないと。雑すぎるよなぁ。
後半とかたたみ掛けが面白いだけに、前提のいい加減さが勿体ない。

というかあんなに金かけて豪華キャストでアクションも凄いのに~何でこんな物が出来上がってしまうのか。
途中から開き直って見てからは面白かったけどねwww



   

『WANDA/ワンダ』

今回も空いた時間にちょうど良かったので~
50年も前の映画だけれど、今も普通にいますよね、通りすがりの誰かが誘ってくれるの待ってる女子とか、強い男にすがることで生きてる人とか。

    現実にいるとムカつくけれど、映画の中では愛おしく感じるから不思議だ。

  皆さん時代背景を語っているけれど、今も変わらない男女の普遍性も感じたのはオレだけかな?



   

『ニューオーダー』

たまたま空いた時間に合うのがコレだったのですが……
6月4日公開だから~結構ヒットしてるのかな。

人間て不思議な物で、ハッピーエンドが好きな一方で、絶対的な絶望とか虚無感とかも味わってみたいんですよね。

     「ダンサーインザダーク」とか「ファニーゲーム」とか「レクイエムフォードリーム」とか~

    内容全く知らずに見てて~どっかの国のホントにあった話かと思たら~架空の設定なんですね。だからこその普遍性も感じられるのかな。いや~~~な普遍性だ。



   

『サンダーバード55/GOGO』

なつかしいなつかしい~何年か前の実写CGのヤツが酷くて台無しにしちゃってたけど、今回は何と、昔の人形を再現して、昔の作り方で新作を作るという! こりゃ期待大だぞ! と喜んで観に行ったんです。

最近のSF物ってなんだかみんなディストピアとか怖い、暗い未来ばっかりじゃないですか、それがサンダーバードは2065年を舞台に、ひたすらカッコいいメカがやることは“人命救助”戦争とか戦いじゃないところが明るい未来で、倖せな気持ちになれるSFですよ。

何でも当時レコードとして発売された、本編では描かれなかったラジオドラマ的な3つのエピソードを~当時と同じ人形劇で制作したとのこと。

第一話はペネロープと召使いのパーカーが始めて基地の島を訪れて、トレーシーが1号~5号までを紹介する。もーうマーチが始まってプールが開いて~1号がズドーンと飛び上がったら大興奮! でもそこがテンションマックスでした。

新作だっていってたのに~なんでスタンダードサイズなんだ? と思ったら~シリーズで使い回しだった1号、2号の発射シークエンスとかはそのまま使い、新しく撮影したシーンと編集して繋いでいるという、取り直した部分はさすがに映像が鮮明だけど、違和感なくマッチングしてるのは凄いなと思った。だって50年も開きがあるんですぜ。

第二話はペネロープがトレーシーに依頼されてパーカーと雪男を捜索に行ったら~悪い奴に捕まって……
第三話は大富豪の屋敷に宝石を盗みに入っては爆破しちゃう悪党たちとの戦い……

傑作だったかつての劇場版「サンダーバード6号」みたくスケールのデカイ、スペクタクルなの期待してたので~30分×3話のオムニバス構成だったのが、ちょっとアレレだった~二話と三話はなんか小粒なエピソードやし、とても食い足りなかった。

災害現場でスコットやバージルが冷や汗びっしょりで危機を脱して行くのが見たかったのに、本作はペネロープにいびられる召し使いのパーカーが主役みたいになっていた。ドラマで黒柳徹子を演じた満島ひかりがペネロープの声なのは凄くいいんだけどwww



   

「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」

いや~もう喋りたい、でもこれはネタバレまずい~ここからは観た方もしくは観ない方だけで。

今回シリーズ最長の上映時間だそうで、なんと2時間44分もあったんですね、2時間ちょっとくらいに感じたのはやっぱり面白かったのかな。

最初からラブラブのお姉ちゃんは前作にも出てたあの「恋はブルー?」でレズりまくってた女優さんですね、関係性とか全く覚えてなくて、ブロフェルドがタランティーノの映画でナチスの高官役の人だったことも忘れていた。

序盤イタリアの山中をアストン・マーチンで走ってる辺りから、シリーズ中で一番美しい「女王陛下の007」のメロディが流れて、アレレ……監督のオマージュかな? と思ったけど、他の作品の曲はかからないのでなんだろうと思っていた。そ~したらあーた! まさかのジェームス・ボンド死んじゃんですもんね! びっくりした~で過去唯一バッドエンドだった「女王陛下」の愛のテーマでバッドエンド繋がり? だったんですかね。ラストでルイ・アームストロングのボーカルが流れた時は泣きましたwww

し~かし割としっかり死にましたよね? ありゃ「二度死ぬ」って訳にもいかないと思うんだけど、これからシリーズどうすんだろう。シリーズのお約束として毎回クレジットの最後に次の作品名が出るんだけど、どうなるんだろうと思って目をこらしていたら~ちゃっかり「jems bond will return」てかいてありやしたねぇ。てかどうすんでしょ。



「ゴジラ対コング」

楽しい楽しい♪ この映画正しくは「ゴジラ対コング対メカゴジラ」でしたww

そりゃー闘うからにゃどっちが勝つのか……な興味なワケですが、やっぱしアメリカ側? ってことでコングに同情が集まる様な作りかと思いきや、終盤ほぼ負けたか~と思いきや小栗版? メカゴジが登場して~なんだか訳わかんないけどコングとゴジラが共闘! 二匹に友情が芽生えるという、なんだか分かんないけど泣いた。

それにしても皆メカゴジラ好きですねww 思えば初代から一体何代目なのか、基本フォーマットは体型がゴジラに似てるというだけで~後は名前は同じでもデザインが大幅に変るのがメカゴジラならではですね。アメリカ版メカゴジラは「レディプレイヤーワン」から二代目ですか、今回もあんましカッコよくないッスね、やっぱ初代が一番♪

それにしても、米版ゴジラにゃかならず芹沢という名の日本人科学者が出るのがお約束なんでしょうか。でも先だっての渡辺謙さんもだけど、あんまし役が立ってないというか、今回の小栗さんもなんだか白目剥いちゃって情けなかった。

当然だろうけど昔のシリーズとかもよく研究してますね、コングと唯一意思の疎通が出来る少女とか、東宝シリーズでよくやる、死んだ怪獣の細胞を再生する~とか、HGウェルズの「地底探検」も出てきて楽しい楽しい♪

コロナ~で久々の映画館~でドッカンドッカン超大作で楽しかったです



「ミッドウェイ(2019)」

「アルキメデスの大戦」の冒頭大和の沈没シーンが凄かったんだけど、戦闘シーンはそこだけでした。もしあのクオリティでミッドウェー海戦を全編見せてくれたら、と思ってたので本作は大興奮!

「ミッドウェイ」といえば1976年の映画ですけれど、あの映画の戦闘シーンは他の映画「トラ・トラ・トラ」や円谷特撮「大平洋の嵐」それに戦時中に撮影されてた実写フィルムをメチャメチャに継ぎ接ぎして成立させていたので、今見ると非常に異様だ。でも小5の時に観た思い出は深く、なにより大音響装置センサラウンド! 空母から東京を初空襲するB-25が飛び立つオープニングから大迫力でした。

出演者もニミッツ大将のヘンリー・フォンダをはじめチャールトン・ヘストン、ロバート・ミッチャム、ジェームス・コバーン……とハリウッドスター総出演の超大作。音楽は「ジョーズ」「タワーリングインフェルノ」と絶頂期だったジョン・ウィリアムスでマーチは今もよく聴いてます。

で今作の予告編ではもう大興奮してたのだけれど、なんで監督がエメリッヒなんだぁ~とそれだけが残念で(失礼)エメリッヒさんてスペクタクルを撮りたいだけで、人間ドラマとかには興味ないんですかね、きっとまたウドの大木映画なのかなぁ(失礼)と危惧しながらの鑑賞でした。

映画の幕開けが京都の雪景色で、米軍士官が山本五十六と日本語で話し、英語の字幕が出るのでほほ~これは良く出来てるのかな……と思っていたら、やっぱし段々演出のダイコンぶりが発揮され、シーンが段々ダサさを発揮し、昔の大映テレビみたくなってしまった。演出が大根だと役者もみんな大根に見えるから不思議だ。

予想通りドラマは全く盛り上がらないのだけれど、戦記物としてリアルに再現された映像でお腹いっぱい満足でした。とはいえ「何故負けたのか」の重要な部分、ミッドウェイ島を攻撃する為に飛行機の魚雷を爆弾に積み替えてたら、今度は敵の空母艦隊が発見されたのでまた魚雷に積み替えたりと、モタモタしてるところをタイミング悪く敵に先に見つかってやられてしまった……という経緯が、よく知ってる人じゃないと分からないだろうと思った。そこはちょっと戦記物としても説明不足な気がした。

それとあのジョン・フォードがカメラを持ち込んで実戦を撮影してるのは映画オタクとしてはおお~と思ったけど、よっぽど映画好きじゃないと、あのオジサンいるの? てなりますやね。オレは面白かったけどwww

そ~れにしてもこのCGで再現された戦闘描写のリアルなことよ! ツバメの様に飛び交うゼロ戦、昔作ったプラモデルの空母赤城、エンタープライズ、艦上爆撃機ドーントレスや雷撃機アベンジャー、ヘルダイバーがリアルに飛び交う空中戦のなんという迫力! 泣いた(w)

でも、確かに映像は現実を目の前で見ている様に再現されてるんだけど、でも思うに「戦争を見た」という感慨は不思議と1976年版の方が残ってるんだよねぇ、やっぱり人間描写なのかな、オレが観た年代のせいなのか、山本五十六を演じたミフネが、原版は英語で喋ってたのを国内公開版では自らアフレコしたという「陛下には私がお詫びする」という最後のセリフと、エンドロールに流れる「ミッドウェイのマーチ」が忘れられない。



「青くて痛くて脆い」

いや~胸が痛かった(苦笑)
男子はみんな覚えがあるんじゃないかな?
大きな目的の為にみんなで頑張ってるのに、一人の女子を好きになってしまい、振られたショックで活動その物を否定してしまうという……。

この映画宣伝とかあらすじ読んでもなんだかよく分かんないんだけど、冒頭のキャラクター紹介、二人の関わりの始まり~サークル「モアイ」誕生~そして3年が過ぎて主人公の激変~と観客の興味のリードの仕方が上手いので文脈を追いやすく、だから幾つか迎えるターニングポイントには意外な驚きがあって、最後までグイグイ見せます。

みなさんのレビュー読んでると様々な受け止め方をされてるようですが、オレはひとこと「男の嫉妬」ですね。それが分かってからの、この男のなんとまぁ小さく見えることか! あ~オレもこれだったなぁ! と思ったら凹んで眠れませんでした。

柄本佑さんもすっかりイケメンが板に付いちゃいましたね(悔泣)。



「透明人間」

邦題がよくない~昭和の特撮映画じゃないんだから!

知人に勧められて観ましたが~そんなにオモロイのかなぁと思っていたら……

3回くらいギョエー! てなった。

いや~面白いですよ。しかも新しい(謎)

展開も最後まで引っくり返って飽きさせない。

後から考えると突っ込みどころで笑えるしwww

エンタメですねぇ。

邦題なんか違うのしろよ「インビジブル」だとパーホーベンのと被っちゃうからかな。

にしても人間が透明になるとみんな悪いのなwww



「罪と女王」

もちろん下世話な興味で見に行きましたけど~

むかし中坊ははち切れそうになった「青い体験」とかイタリア映画で少年が年上のお姉ちゃんに愛の手ほどきを受けるという、あの型なんだけど、この映画は若い男と浮気する年増女の方を主人公にして描くという、視点を逆にしたのが新しい。

思えば「重罪と軽罪」とか「マッチポイント」等、マイホームパパぶってる亭主男が浮気して、その果てに相手の始末に困って殺しちゃう~という映画がありましたけれど、コレは逆で、奥さんが義理の息子に手を出して……という物語。

いや~時代が変わったのか、今は女性で奥さんでも仕事が出来て、ママであると同時にキャリアウーマン的な人も多いですもんね、こういう映画が出てくるのも必然なのかもしれません。

展開にもヒネリがあって、見ていられない程惨くて鮮やかな? 女優さん素晴らしい! 面白かったですよ~



「ANNA/アナ」

 コ~~~ロナでなんと、映画館行くの二ヶ月半ぶりという……昔芝居の稽古で何ヶ月も映画館にいけなくて~やっとギンレイホールの「グレート・ブルー」で大泣きしたの思い出した。そん時ゃ作品の素晴らしさもあったのだけれど。

 今回コロナ明けも何の因果か? リュック・ベッソンの新作! 近頃のプロデュース作品には食傷気味なんだけど、ひさびさの監督&音楽エリック・セラやし「ニキータ」みたいなのまた見たい~と思って行きました。

 B級バンザイ! 大人の中二病万々歳! ガーター姉ちゃんがバンバン殺す殺す、血みどろエンジェル!
 
 「ニキータ」みたいなの期待してたクセに、設定も展開も主演の顔つきもニキータ~ミラジョボに似てる、う~よくもこう同じ様な話を同じ様な女優で作るもんだなぁ……と思っていた。

 他にも「ニキータ」をスパイに仕込んで恋仲になる上司。女スパイの先輩? ニキータの素性を知らない恋人の存在など、ことごとくトレースしていくのだけれど、途中からあ~の三回転ヒネリだったニキータが、更に東西冷戦のスパイ合戦に巻き込まれ~「ニキータ」のボブにあたる、諜報部員として指導しながら恋仲になる男がKGBとCIAの双方にいて三角関係になり「ニキータ」のマルコにあたる癒されキャラの恋人が女性であったり、上官スパイでかのジャンヌ・モローが演じたアマンドに変る恐ろしい女ボスがヘレン・ミレンで貫録たっぷり!

 いわば「ニキータ」をさらにヒネったダブルトルネードな展開に、その上ビックリ展開が起きる度に時間軸が戻るという凝りよう!

 どんでん返しはあんまし重ねるとありがた味がなくなるのだけれど、コレはビックリさせる転回が起きると時間が戻り「お~そうきたか」という見せ方が上手く、時間が戻ってもストーリーが戻ってる感はなく、興味を途切れさずに見れました。

 最期の最期まで飽きさせず、惨い宿命と戦い抜いたラストにはカタルシスもあって、ニキータの発展系な展開にお腹いっぱい! 映画館で映画を観る幸せに浸れたのでした。お客さん5人くらいしかおらなんだのも、かつてのギンレイホール思い出したwwwww



「ジュディ 虹の彼方に」

 いや~いいですよ。といっても本人のことそんなに知らないんだけど。それこそ「オズの魔法使い」しか。

 幼い子供を二人抱えてシングルマザーで放浪状態の現在と、ジュディがこういう人物になるに至る、少女スターとして自由を奪われていた頃がカットバックで描かれる。

 本人に似てるとかは分からないんだけど、男運もなく、我がままでアル中で、でも子供と一緒にいたいお母さんのジュディを演じるレニーゼル・ウィガーの本物っぷりが凄い! ブリジッド・ジョーンズの面影なんか微塵もない変貌っぷりだ。

 くたびれてヘベレケなのにいざステージに立つと観客を圧倒する、レニー本人が歌っているという歌唱力には驚かされる。また楽曲がそれぞれ懐かしい感じで、ビートが効いて迫力があって、と~っても良いです!

 ステージも首になって、結婚したばかりの夫にも去られ、子供の親権も取られて~それでもジュディはステージが好きだった。ボロボロになって歌う「虹の彼方へ」が号泣でした。



「男はつらいよ お帰り 寅さん」

 あ~堪らない! ルーカスの手を離れたスターウォーズじゃない、紛れもない山田洋次の寅さんなのだ。

 20年前にシリーズ終盤で描かれた満男と泉ちゃんの再会を描きながら、満男が時折り思い出す寅さんのエピソードが挿入される。名場面集ではなく、あくまで主軸は満男と泉ちゃんの物語を展開しながら寅さんの回想が時にはフラッシュバックで、時にはしっかりワンシーン見せる巧みな構成でした。おいちゃん役が三人出てくるのは暗黙の了解? というよりサービスと受け取りましたww。

 要所のカットバックに出てくる青春時代の満男と泉ちゃんの眩しいこと! あ~自分もそれだけ歳を取ったんだなぁと、時の流れを突き付けられる。「北の国から」もそうだけど、幼い頃から同じ役が年月を経るのに合わせてその年代を演じるなんて、役者冥利に尽きるでしょうね。

 満男と泉ちゃんの再会には久し振りに本当のラブストーリーを見た気がした。若い人には古臭いのだろうけど、あ~ラブストーリーってこうだったよなぁと思った。切ない!

 かつて遠い親戚に預けられた泉ちゃんの元へ押し掛けて、泉ちゃんの叔父に怒られた満男のことを寅さんが「そんな甥のことを立派だと誉めてやりたいと思います」といった場面とか「人間は何の為に生きてるの?」という問いに「そりゃお前、生きてて良かったなぁ、って思う時の為じゃねぇの」という寅さんの名言も思い出した。特にリリー編でのメロン騒動はシリーズ中1.2を争う爆笑エピソードで、監督と思い出を共有してるみたいで嬉しかった。

 なにより往年のファンとしてはリリーがリリーとして登場することに言い知れぬ感慨がありますね。ここでも若い頃のリリーが出てくると……自分もなんだろうなぁとwww

 現在の車屋のお茶の間にはソファがあって、土間との段差には補助用の手すりがあり、間取りは同じなんだけどそうした変化には昔親戚が集まった家に久し振りに来たみたいな感慨がありました。博とさくらの老いっぷりと、しっかりタコ社長のDNAを受け継いでいる娘のアケミちゃんww。そして寅さんはもういないとは誰も言わない。さくらは「今度お兄ちゃんが帰ってきた時に」という。

 ラストの歴代マドンナのオンパレードには自分の人生も回想されてこみ上げてきますね。もう亡くなっちゃった太地喜和子さん、京マチ子さん、大原麗子さんも……寅さんはなんと沢山のマドンナを笑わせてきたのでしょう。

 マドンナで誰が一番好きかという話題になると、大概の人は出演回数トップのリリーを挙げるのだけれど、オイラは歌子が正統派で好きなんですよ。吉永小百合さんて眩しすぎて影がないけど、寅さんの歌子は本当に幸薄そうに見えて。リリーの他に同じ役で複数回登場したのは歌子だけなんですよ。お父さん宮口精二やし。
 今回マドンナで登場したのはリリーと泉の母の夏木マリさんだけだったけれど、他にもまだご活躍中の竹下景子さんとか栗原小巻さんとか秋吉久美子さんとかにも出て欲しかったな。家帰って寅さんのサントラをかけました~やっぱし歌子のテーマがいいなぁ。


「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

 本来エピソード456で全てが終っていて、エピソード123はダーズベイダーの「履歴」エピソード「3.5」や「若きハン・ソロ」はオマケ。ディズニーに移った78は後付け感が強く、とっ散らかってどうでもよくなってたんだけど、でも今回一応の締めくくり? には胸が熱くなる物がありました。

 かつてはグレた親父を立ち直らせる物語だったのが~789はグレた息子を立ち直らせる物語~それに今回祖父と孫も加わって壮大なお家騒動が繰り広げられるところはやっぱしスターウォーズなのか。

 ラスボスの皇帝? って最初エピ6で出てきた時は死神博士みたいでショボかったんだよなぁ~ベイダーのがずっとカッコいいのに負けてんなよ~って感じだった。んでも今回は結構貫録ありましたけどね。

 Xウィングを沼からフォースで引き上げる時ヨーダのテーマが流れると胸が熱くなった。ジョン・ウィリアムスが音楽書くのも最後だそうで、それにも感慨がありますね。

 結局出てくるしわくちゃのルーク、ハン、レイアと全然変わらないチューバッカ! ランドカルリジアンは太ったけど出られたのがよっぽど嬉しいのか、始終ニッカニカだ!

 456の続きとしてはやっぱし何か違う気もするけれど、まだ123も作られていない頃にルーカスがインタビューで「続編はハンやレイアの息子たちの物語になる予定だ」といってたの覚えてるから~そんなにズレてもいないのかな。

 んでもやっぱしこのシリーズはかの三船が素面で演じたかもしれないベイダーのキャラクターだよね。ベイダーを凌駕する様なキャラクターが登場しなければ無理だと思っていました。ハンとレイアの息子がなぁ……。

 でも最後は良かったですよ。惜しかったのはレイの持つ宿命をエピ7からちゃんと観客と共有していれば……ってことですかね。最初彼女はあの星で何かを待っている、とか言ってませんでしたっけ? その理由が分からないので、今回に至るまで主人公の前提無しに観ている感じがした、だからエピ456の時みたく続きが気になる感じになっていなかったのかな。

 CGの技術が進歩して、展開も早くキャラクターも増えてよりリアルで壮大な感じもするけれど、やっぱしエピ456の方が宇宙が大きかった気がする。映画のスケールって技術で作られる物じゃないんだよな。

 何処までルーカスの考えてた物語なのかは分からないけれど~ゴジラもターミネーターも作られる限り観ちゃうのもファンの宿命ですかね。まだまだ続くんでしょう。



「キューブリックに魅せられた男」

 ドキュメンタリーやし、裏話とか知的好奇心で観たんだけど、思いがけず感動ですよ!

「魅せられた男」の方ね、正しい題名は「キューブリックの奴隷になった男」か「キューブリックを支えた男」ですかね。

黒澤の “のんちゃん” とかもそだけれど、映画の現場にゃ関らずこうした全く陽の当たらない功労者という人がいるんですかね、いや~この人の犠牲? があってのキューブリックだったのかなぁと思いました。



「ジョーカー」

 2時間ず~っと人が苛められて苛められて苛められて苛められるのを見せられて、遂に自棄のヤンパチでバキュン! でダークサイドに落ちて行く話。

 バットマンシリーズのノリで見にいった若い人なんかは~この地味で陰惨な展開は不満になるでしょうね。

 主人公が何をやっても上手くいかず、苛め抜かれて世の中に絶望するという、昔ATGの「十九歳の地図」とか「ファイブ・イージー・ピーセス」みたいなニューシネマを思い出した。

 し~かし変化するにしても「ブラックスワン」みたくカタルシスを描出することも出来たろうに、コレはなん~だか後味の悪い余韻を残しました。バットマンなんだから何か最後もっと鮮やかに変身=悪に昇華! みたいな見せ場を作るとか、終り方あったんじゃないかなぁ(ティムバートンと同じになっちゃうか)。

 コメディアンを目指す売れない大道芸人で、緊張すると? 笑ってしまうという障害を持っている難しい芝居をしてるホアキン・フェニックスという役者さんは凄いけど、すんません本当に狂ってる様に見えたかというと、なんか正確に狂人を演じてる。みたいな感じも見受けられたかなぁ。

 全然違うトーンなので比べてもしょうがないけれど、汚れメイクを継承してるので~やっぱ「ダークナイト」と比べてしまいますあねぇ。

 “半狂人”って演じるのが難しくって、だから逆に役者の作り込む余地がたくさんあって見どころなんだけど、かつて「欲望という名の電車」のビビアン・リーやそのリメイク? だった「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェット「野獣死すべし」の松田優作「シャイン」のナントカって男優さんとか……その狂いっぷりが味わい深くて見入ってしまうのだけれど、今回可笑しくもないのに笑ってしまうところは見てて普通に辛かったですね。ホントはそんなシーンも見てて辛いというよりは、味わう感じになるのが理想なんじゃないのかな……とか思ってしまった。

 それと今回一挙昇天のデニーロの死にっぷりは素晴らしい! 監督が参考にしたという「キング・オブ・コメディ」ではデニーロが売れないコメディアンで、今回の主人公の立場だったんですよね。それと銃の件は成程「タクシードライバー」ですあね、んでもトラビス君はちゃんと幻想でなくシビル・シェパードとデートしてましたから~やっぱジョーカー可哀相っすねぇ(泣)。

 いや~それもこれも含めて陰惨な気持ちで映画館出てきました。ウチ帰ってすぐ「ダークナイト」観てスッキリしたwww




「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」

大興奮の2時間45分! モリコーネが来日した時と同じくらいの感動でした。穴が開くほどサントラ聴いてるからね~ヒロインのジルが乗った馬車がモニュメントバレーを走り、モリコーネの旋律が流れ出したらもう大泣きwww コレを映画館で観れたら死んでもいい~なんて嘯いてましたから、死ぬかもww

爆音上映ってことで、機関車が止まっててもシュッポシュッポいってるのとか、静かさの中で虫の鳴き声がピタリと止んで恐い瞬間とか凄く引き立っていました。あとレオーネが拘ったという拳銃の音が凄いww

個人的にベスト5に入るけど、テレビとDVDでしか観たこと無かった。映画館で観れる機会は無いかと思っていたら、タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」効果でまさかの完全版の劇場公開! タランティーノバンザーイ! でも「……ハリウッド」好きだけどレオーネの巨人さに比べたら~タラはチンピラですあね、そのチンピラ振りが魅力だけど。

で~もレビュー見ると若いヤツ等にはあんまし受けてないみたい。隣りで観てた20代くらいの男子なんか寝てたしww 「退屈」「長すぎる」「意味が分からない」とかいってますけれど、時代と共に映画の味わい方も変わってくるのか、何せ50年も前の作品ですからね。ん~でもオレに言わせれば映画の読み取り方がここまで解らないのか~と思ってしまいます。

今回の完全版でこれまでの2時間20分バージョンと違うのは、何よりヘンリー・フォンダ(フランク)とクラウディア・カルディナーレ(ジル)のベッドシーンが長く、ジルがニューオリンズで実は高級娼婦だったという事実が分かる。人物の設定ひとつでも情報が増えたことで作品の印象も変わってしまうのだから、作者の意向にそぐわない編集はやめて欲しいですねぇ。

これまではジルが自分の命を守る為にフランクに嫌々抱かれるのが悲しかったのに、実は「どんな男に抱かれたって、後でお風呂に入れば元通りよ」と言い放つキャラだったことが分かり、他にもジルが娼婦であることが前提のセリフが増えていて、レオーネの女性観も変わりましたww 完全版の一番の違いはそれでした。

そ~して何よりこの映画はラストに爆発的な効果を発揮する回想シーンですね。鉄道が敷かれ世界が変わっていくというマクロな背景と、個人的でミクロな復讐劇、こ~のコントラストが実に狂おしい詩情を醸し出してるんでしょうか、やっぱし神映画だなぁwww

今回ホント、ちゃんとしっかり全部観た~って充足感です。去年の「恐怖の報酬」に次ぐ事件でした。あとは「夕陽のギャングたち」をやってくれれば更に昇天出来るんだけど、この流れでやってくんないかなぁ。




「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

ブラピ&ピットのコンビはお互い生活レベルが全然違うスターとスタントマンという主従関係。そんなこと気にせずフィフティに付き合ってるところがカッコ良い。そんないつものタッチかと思いきや、ビール片手にワッハッハと笑ってしまうスプラッタギャグ(といってます)を期待すると肩透かしを喰います。

何よりシャロン・テート事件を知らないとこの映画の趣向は理解出来ない。例えば8月6日に原爆が落ちることを知らずに「この世界の片隅で」を観てる様なもんですかね。

具体的な事件の変遷を追うというよりはダラダラと二人の日常の積み重ね。出てくるハリウッドネタは、売れない役者がイタリアに出張してマカロニウエスタンに出るというのはクリント・イーストウッド。マカロニで二番目の監督というセルジオ・コルブッチww スティーブ・マックィーン(結構似てる!)ブルース・リーも本人よりブ男ですが話し方とか雰囲気が激似! でもこのリーの扱いには怒る人もいるでしょうww 他にも沢山小ネタがあったのだろうけどオレが拾えたのはこれくらいでした。

あまりハリウッドの知識もなく、なによりシャロンテートの件を知らないと寝ちゃうかもですが、そ~れが終わってみれば作品全体から醸し出すテーマを汲み取るという様な、フェリーニやヴィスコンティの味わい! 映画好きにしか分からない方へ振り切ったところに共感が持てました。

途中途中に登場して可愛らしさを見せるシャロンテートに待つ運命に、どうするんだろう~と思っていたら、このラストにはブラボー! フィクションのなんたるか、事実を元にしたこの脚色に、下品でブラックだったタランティーノに初めて人として好感が持てました(上から失礼)。

またどんなサントラが流れるんだろう……というのも毎回楽しみなのだけど、派手に使ったのはあんましなくて、唯一認識出来たのはエンディングの「戦うパンチョビラ」でした。何事もなかった様に続いていくハリウッドの日常、映画館を出た後にジワジワと感慨が込み上げてきました。




「ゴーストランドの惨劇」

恐怖ショックシーンの連続で休まる間があんまし無いww それでいてストーリーもどんどん展開して謎解きもあって飽きさせない。1時間31分という上映時間でいっぱいいっぱいになりました。

ワッ! といきなり恐いのが出たり大きな音で脅かすのは邪道だという向きもあるでしょうが、この映画は何が悪いんだとつるべ打ちにやられるので、多分寿命が2~3日縮まったかも、心臓が悪い人は3回くらい死ぬかも。

だ~けどこの暴力描写は既製の作品に負けないのを、とエスカレートしたのかもしれないけど、こんなの見てたらおかしくなっちゃう人もいるんじゃないか、と思う程だ。

それでいてラヴクラフトという古典的なホラー作家を出してくるあたり、ただのコケオドシじゃないし、Wikiで見たら顔もそっくりでした。終わってみれば巧みに仕組まれていた作品の構造が明白になるところも良かった。

それに次々とこれまでのホラーを彷彿とさせる描写が「エクソシスト」「家モノ」「人形系」「悪魔のいけにえ」の有無もいわせぬ暴力「サランドラ」系の田舎にいる不気味な奴「ハイテンション」系の幻想「リング」「呪怨」のジャパニーズテイストも。楽しいですよww

途中監禁されて苛め捲られる姉妹にまさか「チェイサー」や「ファニーゲーム」みたく終わったらヤだなぁ……と思っていたけれど、いゃあ~よかったww

パスカル・ロジェってオレ知らないと思ってたんだけど、過去作をみると2012年の「トールマン」を観てました。あ~れもそんな知られてないけど最後まで謎で引っ張る面白さでしたね。




「天気の子」

外した。システムがはっきりしない。乗るべき前提がよく分からない。なので盛り上がりに気持ちがついていけない。泣くはずのクライマックスで気持ちが持っていかれなかった。

ファンタジーだからこそ、その世界のルールがしっかり観客と共有出来ないと見ていてポカンとしてしまう「君の名は。」はしっかり分かったからクライマックスが盛り上がった。

あ~の代々木会館ビル! の屋上にある鳥居をくぐったからどうだというんだ? 彼女は何故天気の子になって、また人柱にならなければならなかったのか、主人公も何故田舎から家出して来なければならなかったのか、あんな状況になってもどうしても帰れない理由が不明だから応援出来ない。警察に保護されて帰った方が良いんじゃん? と思ってしまった。

ともあれ都会の情景の美しさには他に類を見ない独創性がありますね。あの絵も監督の力量なんでしょうか。昔岩井俊二の作品を観た時の様な鮮度があります。繰り返し描写される雨雲から陽が差して晴れて行く光景には涙が出そうでした。け~ど残念なのはそれがドラマのモチーフとして生きていないことですね。

新宿、渋谷、池袋、代々木会館……見慣れた情景がああも美しく再現されてみると、ああ、なんだかオレ等の生きている街も結構美しいのかな……なんて思えてくる。それが新海作品の一番の魅力なのかな。

あと最初にちょっと触れあった人物たちが後にどんどん結びついて話が転がって行く展開は上手いと思いました。

まぁ今回はどうしても期待感マックスで観てますからねぇ、その期待を凌駕するのは至難の業だったとは思うけど。

代々木会館はもうすっかり廃屋でいよいよ今年取り壊しになるらしいですね「傷だらけの天使」の聖地巡礼で登ろうとして怒られる人がずい分いたみたいだけど、まさかの本作登場でまた行く人がいるでしょうねww




「パピヨン(リメイク版)」

古い名作をリメイクすると映画好きの人がヤンヤと文句言うのをどうでもいいと思っていたけれど、コレは何だか大事な思い出を汚されるみたいな気がして~ああこういうことかと思いました。

他の方々のレビュー見ているとやっぱみなさん「ゴキブリ喰えよ」なんですねww 確かにそれは旧作でトラウマになりそうな描写でした。原作には無いんですけどね。

何より旧作は「壮絶」という印象でしたが、今作は今の技術で現実にはあり得ないアングルがあったり、アクションシーンで激しいカット割りがあったりと、今風の表現がなされている分リアリティが削がれた感じです。

旧作には人の人生を見せられた気がしたけれど、今作は面白いハラハラドキドキを体験して面白かった~で終わりました。何より無事に逃げおおせた後、奥さんに薦められて出版社に体験記を持ちこむ件はいらないでしょう! ハッピーエンドのパピヨンなんて見たくないですよ。そもそも「逃げるか、死ぬか」の物語なのだから、逃げた時点で話は終わっているワケで、今作はこの結末がむしろスケールを小さくしてる感じだ。

パピヨンとドガの友情も、旧作では二人の距離感がなりゆきでいつの間にか絆が出来ていた~って感じが良かったのに、今回はハナから“友情ありき”が見え見えな展開でした。

実際のパピヨンは今作の通り確か37歳で自由の身になったので、ラストで出版社に自伝を持ち込む件もアリなんですが、旧作のマックィーンは白髪でヨボヨボの爺さんになってもまだ逃げようとする悲壮感が泣かせたじゃないですか。

そもそも現実のパピヨンは冤罪ではなく殺っている疑いが強くって、つまり無実の罪を着せられて「どんな相手であろうと殺人はしない」が今作のパピヨンの行動規範になっていたことが、事実とは真逆なくらいの脚色をしているのに、その一方で事実だということを強調するのはどうかなぁと思いました。

また今回のパピヨンは如何にもジムで鍛えてますみたいな身体やし、ドガとの別れの場面だって、オリジナルはほんの2~3言くらいだったのが喋りすぎて感動が半減している。映画は語り過ぎてはいけないのだ。観客に感じさせるのが映画の醍醐味なのだと改めて認識しました。

何より自分の生活の中で「チクショウ」と思った時の慰めメロディであるゴールドスミスのテーマ曲に代わる楽曲が無いのは映画の魅力が半分損なわれていると思いました。




「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」

 断絶している父親の胸の内を知りたい息子が、父親がオンラインゲームをする様に仕向け、自分も素性を隠してゲーム内にキャラクターとして入り、父親に接する。

      古くは「トロン」に始まるグラフィックのバーチャルの中で、人物たちが活躍する類は「レディプレイヤーワン」とか最新だけど、そこにベタな親子の確執を持ってきたのは単純で良い趣向だと思いました。

 現実ではいつも憮然とした親父はゲームの中で初心者の勇者になり、内気気味な息子は可愛い女子キャラになって、そうとは知らない父親をサポートする。この図式は新しいドラマツルギーだ。

 そうして力を合わせて敵キャラと戦っていくうちに二人は心を通わせていく。こういうゲームをやったことがないオレにも状況設定や趣向が分かり易く、上手く説明していました。

 惜しむらくはファイナルファンタジーという既存のゲームを前提に持ってきたことで、それ以上にゲーム世界を広げることが出来なかったこと。

 でもここまでCGやアニメが発達してきた今にあって、これからのドラマツルギーに新しい可能性を示した作品だと思いました。




「ハウス・ジャック・ビルト」

 フォントリアーは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」が大嫌いなんだけど、他に実験的だった「グットヴィル」とか変わった設定の「奇跡の海」とか面白かったので行ってきました。

 一人称で描かれるサイコパス男の行動に興味をそそられるけれど、昔イタリアのパゾリーニを思わせる悪魔趣味で、なかなかにエグイ!

 途中コレをお金払って見ている自分とは何なのか、という問いが浮かんでしまう。退席した方はきっとそれが切っ掛けなんだろう。

 同じ残酷描写でも、キャスパー・ノエの「アレックス」とかキェシロフスキの「殺人に関する短いフィルム」とか、それぞれ趣旨が違うので感じさせるテイストが違う。

 コレの場合は明らかに悪乗りで、終盤フルメタル・ジャケットの件に及んではもう笑うしかない。自分の顔もさぞ引きつった笑顔になっていたに違いない。

 エンドクレジットの唄で全てをジョークと笑っていいのか……と思いながらも微かなカタルシスも感じている自分なのであったりして……。




「アメリカン・アニマルズ」

 大学生の4人組が図書館で12億円の秘蔵書を盗もうとして失敗し、懲役7年になったという実話の映画化。但しオープニングのテロップには、この手の映画の定番である「これは事実を元にした物語である」ではなく「これは事実である」と言い切ってしまうところにコンセプトがある。

 何より変わってるのは、犯罪の発端から計画~実行までを忠実に再現する最中に、刑務所に7年間服役した本人たちが出てきて「あの時はこうだった~」とインタビューが挿入されるのだ。

 こういう趣向の映画って、本人とかが登場するとフィクションとノンフィクションの違和を生じて失敗するのが多いけど、どうしてこの作品、そ~のマヌケな4人がそれぞれまるで名優の様にしっかり喋る! 本編の流れを邪魔することなく、より没入して観る効果になっているのだ!

 画して人間が欲に憑りつかれてダークサイドに落ちて行く立派な人間ドラマが展開される。止むに止まれず犯罪に手を染めてドツボにはまっていく様はシドニー・ルメットの名作「その土曜日、7時58分」を思い出す。

「事実である」という絶対的な前提に乗らざるをえない面白さだ。普通の人間が犯罪に走るリアル、素人目にもずさんな計画に笑ってしまうけど、なにより頭で考えているのと実際に現場で人を気絶させて縛り上げるなんてことをするのに超える一線の何たるか。一線を越えた途端にヘタレ、グダグダ振りがリアルで素晴らしい。

 映画のラスト、このスタンガンを当てられても気絶せず、縛られた図書館司書の女性のインタビューに、人の罪と罰のなんたるか、の答えがある様な気がしましたね。




「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

 エンドクレジットに流れた「モスラの唄」と「ゴジラの恐怖」「ゴジラのテーマ」のハリウッドアレンジが一番良かった!

     今回芹沢博士がそれ程添え物でなく、自己犠牲の復活は拍手なんだけど、彼は何故そこまでするのか! という前提が観客に売られていないので死に様に感動がない。第一作でゴジラと運命を共にした芹沢博士が何故ああまで感動を呼んだのか、脚本の技術を勉強し直せといいたくなる。

      他にも人間ドラマの描き方がヘタで、特にあの奥さんの行動原理がブレブレで釈然としない。怪獣たちを全部解き放って人間の支配から地球を解放しようという思想で動くテロリスト? の一味というのは良かったけれど、それなら自分たちも死ぬ覚悟はあるんじゃないのか? そ~れが娘がいなくなるとコロリと思想を捨てて娘を探しだすって……

      それに今回マクガフィンとしての「オルカ」の機能がよく分からない。暴れてたモスラを大人しくさせたり、怪獣たちをオルカのあるところへ集めたり? くらいは分かったけれど、もっと良く分からないと楽しめないじゃないか。

      怪獣とか沢山だせばそれだけ本筋もリアリティも散漫になる訳で、前作の築いたリアリティは壊れてしまった。それはそれで別テイストの怪獣プロレス「三大怪獣地球最大の決戦」や「怪獣大戦争」でも良いのだけれど、ず~っと見せ場みたいなバトルを繋いでいけば面白いという訳ではない。前半何度も寝そうになった。

      面白くないと思うと怪獣のデザインからして全部が気に入らなくなるもので、昭和ロダンはもっと憎めない顔つきだったぞ! ギドラだって昭和版のがずっと活き活きとした生命感があった。ハリウッドテイストの怪獣たちは全く愛嬌が無い。リアルに描けば良いってもんじゃないぞ! 鳴き声もゴジラ以外み~んな同じやん、昭和ラドン・モスラ・ギドラの超個性的な鳴き声は今でも真似出来るぞ!

      今までのハリウッドゴジラには伊福部音楽は流れなかったけれど、今回は遂に我慢出来なかったのねwww ゴジラが海から上がって来る時「ゴジラの恐怖」が流れ出したら燃えたwww

      前作のギャレス版からそうだったけれど“怪獣とは地球が自己防衛の為に放った兵器であり、必ずしも人類の味方ではない”というのは平成ガメラで金子修介が発明したシステムだ。こ~れは「カメ止め」のパクリ問題に匹敵するくらいの大ネタパクリだ。

 今回のゴジラ、全編ガチャガチャ煩すぎてメリハリもなく……って文句ばっかになっちゃいましたけど、狙いは悪くないと思いました。んでもことごとく外してるな~と思いました。すんませんヘタクソ~!




「サットヒルを掘り返せ!」

 これ程ターゲットが限定されちゃう映画もそうはあるまい。何しろ一般人>「続・夕陽のガンマン」を観た人>その映画が大好きな人限定ですからね。

 全くごく一部のマニアックな人たちにしか楽しめない。それこそ「未公開映画を観るTV」でしか観れない様な内容だ。全くヒットしないだろうに、せめて日本でただ一館やってくれて感謝ですね。

   最初は全くこいつらバカじゃねーの、という様な暇なオタクたちが集まってスコップで土掘って果てしない作業を始めるんだけど、全然先が見えない(笑)。

 思えばあの映画観た時は実在する墓地でロケしたのかと思っていた。あ~の広大な十字架が並ぶ墓地がまさかオープンセットだったというのも驚きだ。そりゃ50年もほったらかしだったのを復元しようってのも大変ですあね。

 で~もネットの呼びかけに応じて、国境を越えたこの映画が好きな人たちが集まって、せっせと土掘ったり十字架立てたりしてると、こっちも思いが込み上げてきたww

 遂にあの丸い広場と周りの墓地が再現されて、イベントに大勢人が集まって、あの三人に扮した男たちが決闘ごっこを始めたら~感涙したwww

 何でしょうね、国境も人種も超えて、同じ映画に想いを馳せることの不思議というか、映画ってスゴイな! みたいな、言い知れぬ感慨に襲われました。

 オレも帝釈天に初めて行った時や「俺たちの朝」を見て鎌倉に行った時のこととか思い出しました。

 そういえば東京フォーラムのコンサートでも一番盛り上がってアンコールまでやったのは「エクスタシーオブゴールド」だったな!




「グリーンブック」

 いや~いいですよ。

 古くからの映画のフォーマットをことごとく踏襲しつつ、面白さが結集されている。

 金持ち黒人ピアニストに雇われた貧乏白人運転手が~田舎に行くと黒人が差別される立場になって……ものすごーくヒネリが効いています。
    
 ラストはホロッとさせられます。





「メリー・ポピンズ リターンズ」

 まぁ~懐かしい懐かしい、といってもオイラが観たのは勿論リバイバルだけど「ファンタジア」と二本立てでした。

 それがリターンズだってぇから、いいオッサンが恥を忍んで観に行ったのにあ~た。全然ストーリーは無いし、第一作の聴きたい楽曲は皆無やし(かろうじて「スプーン・フル・シュガー」「凧を上げよう」のメロディがちょびっと流れただけでジンときたww)

「チムチム・チェリー」くらい唄えよ! といいたくなる。終盤になってディック・ヴァン・ダイクじいさんが出てきて「もう踊れないと思うか?」って、タップ踏もうとするからオオオ~~てなったのに、2歩だけですよ! タップ2歩! っていうか新作のキャスト誰もタップ踊れないのか? いや~思えばタップダンスが如何に楽しかったか、ってことですよ。

 フルCGでどんなにファンタジックな世界を見せられても、あの楽曲の素晴らしさ、タップダンスの楽しさにゃ敵わない。ミュージカルなのに口ずさみたくなる曲がひとつもないってどうなのよ?
 
 第一作には子供と大人の葛藤とか、哀愁もあり、明日も頑張って生きよう! という血沸き肉躍る楽しさがあった「スーパーガリ……」の呪文とか覚えましたもん。

 メリー・ポピンズは皆を幸せにするんだろう? オレも幸せにしてくれよ! って文句ばかりになってしまったけれど、う~ん実は予告観た時点で分かってたんだけどね。でも観に行っちゃう性ですかね(泣)。

 あと余談ですが主演のエミリー・ブラントって「ガール・オン・トレイン」のあのお姉ちゃんだったんですねぇ、ビックリ!
 ウチ帰ってから口直しにこっち沢山観てました。

 https://www.youtube.com/watch?v=U3zAbQ0aMK8





「ナチス第三の男」

 この映画は前半と後半で二部構成。前半はナチス第三の男と恐れられ、占領地で弾圧や公開処刑を頻繁に行ったというラインハルト・ハイドリヒの出自から怪物になる過程。後半はレジスタンスの二人のチェコ人が彼を暗殺しようと計画を進めていく過程。

 冒頭とラストで別の映画になっているという……それは凄い技だと思うんだけど。終わってみるとアレ? 何観てた映画って何だっけ? ってなりました。

 例えれば一時期流行った「そばめし」細切れの焼きそばと炒飯が混ぜてあって、喰ってると美味しんだけど、喰い終わってみるとアレ? 今何喰ったっけ? みたいな。

 「ミリオンダラー・ベイビー」みたくガラリと変る訳じゃなくて、今流行りの趣向、映画の前半と後半で視点を変えることにより真実が浮かび上がる……みたいな。

 いってみれば前半は「シンドラーのリスト」で後半は同じ事件を扱ったマンマ「暁の七人」アレは確かティモシー・ボトムズ? と相棒二人で教会の地下で水浸しになりながらお互いの頭に銃口をあてて「やるだけやった」ババン! のラストが鮮烈だった記憶がある。本作も同じだけど最後はそれぞれ自分の頭に銃口あててました。

 「パリは燃えているか」「遠すぎた橋」「史上最大の作戦」的な、ひとつの戦争事実に関わった敵も味方もひっくるめた群像劇的な感慨はあるのだけれど、それにしちゃ主人公ハイドリヒの死に様にしても、もう一つのクライマックスとなるテロリスト二人の運命にしても、喰い足りなさが残ったなぁ。どっちかひとつの起承転結で見せてくれた方が良かった気がする。イーストウッドの「硫黄島二部作」を二本立てで観たと思えばお得感あったのかなぁ。

 歴史事実に対する興味。暗殺事件の経過とか充分引き込まれて面白かったんだけどね。





「ミスター・ガラス」

 いや~楽しいですねぇ、こ~のヘンテコ振りはど~ですかww

 なんというヘン!
 続編の映画は概して「前作を見てなくても楽しめる」っていうけど、コレは無理ですww

 前作を観てない方なのか知りませんけど、隣に座ってた方は爆睡しておられました。

 そもそも「アンブレイカブル」って続編作るほどヒットしたの? 確かにヘンなシャマラン映画の中でも飛びぬけてヘンでしたけど。大好き♡

 それに続く話だとは夢にも思わず観てた「スプリット」のラストに思いがけずブルース・ウィリスが登場する唐突感! いや~いいですよ。マニアックに過ぎるごくごく自分だけの世界観みたいなのをハリウッドスケールで作ってしまうなんて! あ~何という幸せな監督なのでしょうか。

 まぁ一方で絢爛たるマーベルコミックだのアベンジャーズシリーズだのがあっての暗黒面なんでしょうけどwww ヘンだ~ああ~~ヘンだwww





「恐怖の報酬(1977)」オリジナル完全版

40年間失敗作だと思っていたフリードキンのリメイク版の完全版。
完全版ってことだけど予告編見てもちっとも触手が動かなかったんだけど~観た人の評判があんまり良いので行ってみたら……。

なんですかこの素晴らしさは! 印象が全然違う! 作品の着地点も監督の目指す物も別物でした。

当時小学六年で確か友達三人で渋谷のパンテオンで観た時は、どうもイマイチ感を拭えずに出てきたものでした。そう、とにかくハラハラドキドキを期待してたので「そうでもないじゃん」な感想だったのだ。

後に日曜洋画劇場でやった時淀川長治さんの解説で「クルーゾー版と比べてどうでしたか?なに? なに? なに? 負けた? そうですねぇ~」と言ったこともオイラの評価を決定付けちゃったのでした。

でも今回見て分かったのは、監督のやりたかったことはスリルを味わうことを前面に出すのではなく、4人の男の生存を賭けた運命との戦いなのだ。

クライマックスは横に死んだ相棒を乗せたドミンゲスが荒涼とした岩山の中を走る幻想的な場面で、死んだ筈の相棒がワハハハ……と笑い声を上げるとこなんだけど、カット版の時はピンとこなかった。でもこの完全版にはあ~このクライマックスはこういう感慨が浮かぶ筈だったのか! とビビッときた。

そもそも1977年版を何故失敗作だったのか、と考えたのは、最初のつかみの、ニトロの恐ろしさを観客にかませるところで、オリジナル版は確かドカーンと大爆発でこりゃヤベエだろ~と思わせたのに対して、本作は指先からチョビっと垂らしてボン! なので大したことない感じがあった。

それにあの橋にしても、別にニトロ積んでなくても普通にヤバイし、ゲリラとかも出てきてオカズが多すぎて肝心のニトロの要素が霞んでしまったのではないか……って分析してたんだけど、監督はニトロのスリルだけに焦点を当てていたのではなかったのだ。ということが分かった。

なんと30年振りくらいにパンフレットというものを買ってしまった! 1977年版のも持ってたのに~とっくに古本屋に売っちゃった。あ~なんと勿体ない(笑)でも今回800円も出して大したこと書いてなかったけど。

でもこの企画、当初はロイ・シャイダーとフランスの投資家とメキシコの殺し屋の役をスティーブ・マックィーン、マルチェロ・マストロヤンニ、リノ・バンチュラがやるはずだったんだって! この作品を超大作っていうのもイメージ違うと思ってたんだけど、もしその三人がやってたら全く凄い超大作だったんですねぇ。ああ~なんという観たかった感!





「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

 タイの映画なんて殆ど見たことないんだけど「カメラを止めるな」的ヒット作ということで、でもたかがカンニングの話でそんなにオモロイの? と思って観に行ったらホントにオモロかった。

 世界規模で行なわれる大学統一入試を舞台に、スケールは大きいし。いや~よくぞここまでハラハラドキドキを盛り上げて、ギリギリまでどうなっちゃうんだろう~と引っ張りましたね! かつてのヒッチコックを思い出した。

 捕まっちゃた相方と取調室でアイコンタクトを交わすところとか鳥肌もんでした。

 そうして観客もヒロインの大変な思いを共有してきただけに、空港でお父さんが待ってて思わず抱きついちゃうところは~一緒に泣けましたねぇ。いや~いいですよコレは。

 た~だラストにはちょっと……やっぱ仏教の国やし? 道徳心に帰依してお父さんと反省しちゃうのがヤだったなぁ。あそこでバンクに「あとは私次第よ」と言い残してドアを出てったところでこっちに投げて欲しかった。

 極上の青春クライムサスペンスでした。韓国に続いてタイにも日本映画は抜かされてしまうのか!





「パンク侍、斬られて候」

 懐かしい懐かしい石井聰亙! その昔日大芸術学部在学中に作った8ミリ映画「高校大パニック」は日活で商業映画化されて共同監督。その後自主映画「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市 BURST CITY」ときてかの傑作「逆噴射家族」へと続く、和製タランティーノというか、こっちの方がず~っと先に僕等の夢を実現させた英雄だったのでした。

 今は名前を変えて石井岳龍(がくりゅう)っていうんだって、監督作を見るのは本当に久しぶりで、工藤官九郎脚本と聞いて、どう転ぶのかと思っていましたけれど……。

 パンクというよりサイケデリックな印象でしたけど。こ~の爆発的なハチャメチャ加減は「狂い咲きサンダーロード」のソレで懐かしかった! 現在61歳? でこのパワーは「マッドマックス」のジョージ・ミラーに肉迫する勢いじゃないですかww
 
 ん~でもこの官九郎テイストなんだろうけどナレーションの多さ! 登場人物の名前をいちいちバカでかくテロップで出すのには、どうにも物語世界に入るのを拒まれる! 「マッドマックス」のナレーションはおろかセリフも無いままにグングン観客を引き込む上手さを見なさいよ! といいたくなる(失礼)。

 猿軍団とか「はらふり」宗教軍団の乱舞とか「怒りのデスロード」の世界観を彷彿とさせるだけに、なんか惜しい気がした。そもそも「狂い咲きサンダーロード」が日本版マッドマックスだったことを思い出した「狂い咲き……」を観た時も、下手だなぁ(失礼)と思ったことがデジャブになってしまいました。

 とはいえ面白いか詰まんないかで言ったらと~~~~~ってもオモロかったですよ~~ww

 ナレーションとテロップ全部無くして再編集して欲しい。






「レディ・プレイヤー1」

 こゆ映像先行型の映画って概してドラマがお留守になるんだけれど、これはどうして正統派な冒険活劇みたいで楽しかった!

 バーチャルと現実を行ったり来たりの並行線で展開していくのだけれど、現実世界の戦いの為にバーチャルの中で戦わなければならないリンクが良く出来ていました。

 とはいえコレ現実とバーチャルのウェイトが、バーチャル内のシーンの方が多くって、まるでバーチャルが本筋で現実が二の次の様な構造になってるのが新しいです。

 バーチャル内でアバターになっている人物たちもほぼ実写と言っていいくらいリアルに描かれてるし、まるでアバターと本体が逆転してる感じだ。

 本当に近い将来こんなゲーム世界が出来るんじゃないかってリアリティがあるけれど、でもそうなるときっとヒロインが言ってた様にみんな現実の姿とはかけ離れたアバターにすると思うんだけど、そ~こがチョットねぇ、バーチャル世界でカワイコだったのが現実でもアッサリカワイコちゃんだったのが、ご都合主義な感じがしました。そこはやっぱしヨレヨレのお婆ちゃんだったとか~ギャップがあった方がリアルやし面白いと思うんだけどねぇ。

 第一のウリは何でもアリなバーチャル世界の楽しさですね! 主人公の車はデロリアンやし、ヒロインが乗ってるのは「アキラ」の赤バイク。アイアンジャイアントを初めオモチャ箱をひっくり返した様に次々キャラクターが出てきて楽しい楽しい♪

 細かいところだと「宇宙空母ギャラクティカ」や「サイレントランニング」の宇宙船も登場したりww チャッキーは笑いますね。

 しかも一番の見せ場はメカゴジラとガンダムの戦いという! ゴジラのテーマも流れます。日本贔屓なのかヒーローたち5人組のうち2人は日本の少年やし、アバターで甲冑姿の三船敏郎も登場して拍手喝采だ! どうせなら昭和仮面ライダーやウルトラマンとかも出して欲しかったな。

 それとかのキューブリックの「シャイニング」があんなにフィーチャーされてるとは知りませんでしたねぇ、これから観る方は復讐していけばもっと発見があるかも。

 新しい世界観を見てる気がしました。人物については何処までがCGだったのかよく分からないけれど、いよいよ俳優がいらなくなってきた感じですね。

 スピルバーグの「ジュラシックパーク」と「プライベートライアン」は確かにその後の映画の作り方を変えた分岐点でしたよねぇ。今回もコレを期にバーチャルの世界を主体とした実写映画? とかが流行るんでしょうかね。

 あとまぁいいんだけど、なんかラストもヴァン・ヘイレンの懐かしい「ジャンプ」で閉めて欲しかったなぁと思いましたww






「ロープ/戦場の生命線」

 知人に勧められて今更? 観ましたが、い~や~コレはいいですよ! ま~ったく素晴らしい! 久し振りにニッコニコで映画館を出て来ました。

 ベニチオ・デル・トロとティム・ロビンスのオッサンコンビ! 荒んだ状況の中、常にジョークを交わす二人が笑えない現実!

 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に始まったのか「デトロイト」「スリー・ビルボード」と続く絶望の中にチョイ希望が光るラストは流行なのでしょうか。

 今年最高はやっぱし「スリー・ビルボード」だけど、こ~のラストの突き抜け感は勝ってる感じだ。泣けた!

 アカデミー賞か知らんけど妙な半漁人のなんか観てないでこっちを……といいたいけどもう終映間近です。明日で渋谷も終わっちゃいます。
 都内で残るのは新宿武蔵野館だけですよ~何を置いても観に行くことをお勧めします。急げ!







ホームページに戻る