ネタバレ必須! 新作映画感想文

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

 タイの映画なんて殆ど見たことないんだけど「カメラを止めるな」的ヒット作ということで、でもたかがカンニングの話でそんなにオモロイの? と思って観に行ったらホントにオモロかった。

 世界規模で行なわれる大学統一入試を舞台に、スケールは大きいし。いや~よくぞここまでハラハラドキドキを盛り上げて、ギリギリまでどうなっちゃうんだろう~と引っ張りましたね! かつてのヒッチコックを思い出した。

 捕まっちゃた相方と取調室でアイコンタクトを交わすところとか鳥肌もんでした。

 そうして観客もヒロインの大変な思いを共有してきただけに、空港でお父さんが待ってて思わず抱きついちゃうところは~一緒に泣けましたねぇ。いや~いいですよコレは。

 た~だラストにはちょっと……やっぱ仏教の国やし? 道徳心に帰依してお父さんと反省しちゃうのがヤだったなぁ。あそこでバンクに「あとは私次第よ」と言い残してドアを出てったところでこっちに投げて欲しかった。

 極上の青春クライムサスペンスでした。韓国に続いてタイにも日本映画は抜かされてしまうのか!





「パンク侍、斬られて候」

 懐かしい懐かしい石井聰亙! その昔日大芸術学部在学中に作った8ミリ映画「高校大パニック」は日活で商業映画化されて共同監督。その後自主映画「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市 BURST CITY」ときてかの傑作「逆噴射家族」へと続く、和製タランティーノというか、こっちの方がず~っと先に僕等の夢を実現させた英雄だったのでした。

 今は名前を変えて石井岳龍(がくりゅう)っていうんだって、監督作を見るのは本当に久しぶりで、工藤官九郎脚本と聞いて、どう転ぶのかと思っていましたけれど……。

 パンクというよりサイケデリックな印象でしたけど。こ~の爆発的なハチャメチャ加減は「狂い咲きサンダーロード」のソレで懐かしかった! 現在61歳? でこのパワーは「マッドマックス」のジョージ・ミラーに肉迫する勢いじゃないですかww
 
 ん~でもこの官九郎テイストなんだろうけどナレーションの多さ! 登場人物の名前をいちいちバカでかくテロップで出すのには、どうにも物語世界に入るのを拒まれる! 「マッドマックス」のナレーションはおろかセリフも無いままにグングン観客を引き込む上手さを見なさいよ! といいたくなる(失礼)。

 猿軍団とか「はらふり」宗教軍団の乱舞とか「怒りのデスロード」の世界観を彷彿とさせるだけに、なんか惜しい気がした。そもそも「狂い咲きサンダーロード」が日本版マッドマックスだったことを思い出した「狂い咲き……」を観た時も、下手だなぁ(失礼)と思ったことがデジャブになってしまいました。

 とはいえ面白いか詰まんないかで言ったらと~~~~~ってもオモロかったですよ~~ww

 ナレーションとテロップ全部無くして再編集して欲しい。






「レディ・プレイヤー1」

 こゆ映像先行型の映画って概してドラマがお留守になるんだけれど、これはどうして正統派な冒険活劇みたいで楽しかった!

 バーチャルと現実を行ったり来たりの並行線で展開していくのだけれど、現実世界の戦いの為にバーチャルの中で戦わなければならないリンクが良く出来ていました。

 とはいえコレ現実とバーチャルのウェイトが、バーチャル内のシーンの方が多くって、まるでバーチャルが本筋で現実が二の次の様な構造になってるのが新しいです。

 バーチャル内でアバターになっている人物たちもほぼ実写と言っていいくらいリアルに描かれてるし、まるでアバターと本体が逆転してる感じだ。

 本当に近い将来こんなゲーム世界が出来るんじゃないかってリアリティがあるけれど、でもそうなるときっとヒロインが言ってた様にみんな現実の姿とはかけ離れたアバターにすると思うんだけど、そ~こがチョットねぇ、バーチャル世界でカワイコだったのが現実でもアッサリカワイコちゃんだったのが、ご都合主義な感じがしました。そこはやっぱしヨレヨレのお婆ちゃんだったとか~ギャップがあった方がリアルやし面白いと思うんだけどねぇ。

 第一のウリは何でもアリなバーチャル世界の楽しさですね! 主人公の車はデロリアンやし、ヒロインが乗ってるのは「アキラ」の赤バイク。アイアンジャイアントを初めオモチャ箱をひっくり返した様に次々キャラクターが出てきて楽しい楽しい♪

 細かいところだと「宇宙空母ギャラクティカ」や「サイレントランニング」の宇宙船も登場したりww チャッキーは笑いますね。

 しかも一番の見せ場はメカゴジラとガンダムの戦いという! ゴジラのテーマも流れます。日本贔屓なのかヒーローたち5人組のうち2人は日本の少年やし、アバターで甲冑姿の三船敏郎も登場して拍手喝采だ! どうせなら昭和仮面ライダーやウルトラマンとかも出して欲しかったな。

 それとかのキューブリックの「シャイニング」があんなにフィーチャーされてるとは知りませんでしたねぇ、これから観る方は復讐していけばもっと発見があるかも。

 新しい世界観を見てる気がしました。人物については何処までがCGだったのかよく分からないけれど、いよいよ俳優がいらなくなってきた感じですね。

 スピルバーグの「ジュラシックパーク」と「プライベートライアン」は確かにその後の映画の作り方を変えた分岐点でしたよねぇ。今回もコレを期にバーチャルの世界を主体とした実写映画? とかが流行るんでしょうかね。

 あとまぁいいんだけど、なんかラストもヴァン・ヘイレンの懐かしい「ジャンプ」で閉めて欲しかったなぁと思いましたww






「ロープ/戦場の生命線」

 知人に勧められて今更? 観ましたが、い~や~コレはいいですよ! ま~ったく素晴らしい! 久し振りにニッコニコで映画館を出て来ました。

 ベニチオ・デル・トロとティム・ロビンスのオッサンコンビ! 荒んだ状況の中、常にジョークを交わす二人が笑えない現実!

 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に始まったのか「デトロイト」「スリー・ビルボード」と続く絶望の中にチョイ希望が光るラストは流行なのでしょうか。

 今年最高はやっぱし「スリー・ビルボード」だけど、こ~のラストの突き抜け感は勝ってる感じだ。泣けた!

 アカデミー賞か知らんけど妙な半漁人のなんか観てないでこっちを……といいたいけどもう終映間近です。明日で渋谷も終わっちゃいます。
 都内で残るのは新宿武蔵野館だけですよ~何を置いても観に行くことをお勧めします。急げ!







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