いや〜コレは楽しい。コロンブスやジャンヌ・ダルク、日本の坂本竜馬等、偉人の
大河ドラマを素舞台で数名の役者だけで演じきってしまうSSTプロデュースの伝説シリーズ!
今回はかの西部劇のヒーロー、ビリー・ザ・キッドの物語! コレはオレ20年程前? に学
芸大学の千本桜ホールで見た作品の再演で、時おり記憶と重なる台詞や演出が懐かしいの
と、新たに加わったコンタ・キンテさんやペロリさん等、キャラ立ちまくりの新メンバーも相まっ
て楽しい楽しい娯楽巨編に仕上がっていました。
物語は西部のならず者ビリー・ザ・キッドと、かつての親友で、今は保安官になったパット・ギ
ャレットとの運命の決闘を軸に、逃亡の途中農家の家族に世話になったビリーと家族との友情、
石油時代の到来で失われて行くフロンティア、憎き敵との集団同士の銃撃戦等、懐かしいアメ
リカン西部劇のテイスト満載の楽しいエンターテイメントでした。
幼い頃に母を失ったビリーが農家の家族の暖かさに絆されて一緒に敵と戦って行く情緒的な
ドラマと、随所に登場するコンタさん担当のお笑いやパロディーとのバランスが絶妙で、笑って
泣いて、アクションに躍動感もあって、本当に面白い西部劇を観たと言う感じです。
マジ三池監督の「ジャンゴ」なんかよりず〜っと面白かった(まぁアレはマカロニでしたけど)途
中史実に関係なく登場するジェシー・ジェームスやワイアット・アープ。シェーン(は架空の人だよ
ね)果てはユル・ブリンナーまで登場し(笑)BGMも「荒野の七人」「リオ・ブラボー」等懐かしい
懐かしい♪
総勢7名の役者さんだけで、敵味方入り乱れて大勢の登場人物たちを一人何役もこなして行
くんだけど、それでいて各役者が担当する役がどれも見事にキャラが立っていて、全体のストー
リーのうねりを形作っているところが凄い。
特にコンタさんの悪役(クライトン兄弟?)やペロリさんのインディアンの酋長は最高でした。ラ
ストのビリーとパットの決闘の演出も実にカッコ良く見せましたねぇ、しかも両者を演じているの
がどちらも女性(ビリーは加藤さん)でありながら、見事に男世界の哀愁と美学を描出していま
した。
ともするとこう言うモノを舞台でやるといい大人の男が西部劇ゴッコしてる……印象になりがち
なところを、敢て女性が演じたことで新鮮な感慨を産んだのかな、とまで考えてしまうくらい、乗
れましたねぇ(笑)。
あんな小さな劇場の中で広大な西部劇が堪能出来るんですからー芝居って面白いなぁーと
堪能しましたよ。