「ROPPONGI NIGHTS 2006」

LIVESプロデュース公演(2006年3月30日池袋シアターグリーン)

コレは楽しくて面白かったです♪ かなりおバカな人情喜劇。ヤクザから足を洗ってナイトクラブ を開店した店長さんが、気の良い店員たちに自分の前歴を隠しつつ新しい人生を踏み出そうとするのだが、 それを邪魔する様々な事態が起きてドタバタが展開する。 彼は結婚を約束した女性の父親にお店を見て貰い、堅気になった自分を認めて貰おうとしているのだが、 ヤクザ時代の舎弟が現れてそれをご破算にしてしまったり、刑務所にいた兄弟分が出所して来て店の 営業を邪魔したりと、次から次へと障害が降りかかる。そんな中、店のショータイムの為に呼んだ 5人組のコーラス歌手「ダンディ・ジャックス」のなんとも可笑しな仲間達や、チャップリン みたいな出で立ちの高級貴族然とした客。ヤクザの舎弟に呼ばれて国籍不明のダンサー男が訪ねて 来たりと、どれも思わず笑わずにはおれない面白キャラが続々と登場し、物語は終始楽しく展開して行く。 ただ惜しむらくは、余りにキャラが多いせいか、それぞれが面白い一面だけを見せるに留まり、人間的な 掘り下げに欠けること。主人公にしてもただヤクザから足を洗って店を軌道に乗せ、フィアンセと結婚 したいと言うだけでなので深みもなく単純な構図だ。彼を邪魔しに来る舎弟や兄弟分 のヤクザもアリガチでちょいウザくも感じてしまう。5人組歌手のダンディ・ジャックスの 絶品さに比べると落ちますね。役者さんは上手なんだけど。それと物足りなさが残った決定的な点は、全編 を通して大きな一件落着と言うか、もっと重大な縦糸が欲しかったかな。フィアンセのお父さんともヤクザの兄弟分とも 和解してメデタシメデタシなんてありきたりでなく、もっと掘り下げたドラマがひとつドーン とあれば全体に締りが出来て、沢山のキャラが混在する展開にも統一感が出たのでは ないかな(生意気ですんません)ともあれ本作は以前本多劇場で上演されて好評を得ての再演との こと、それなりに面白く楽しくて申し分ない舞台でした。



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