「旅情」

 イギリスが誇る映画史上最高の映画監督デビッド・リーン。その彼が「戦場にかける橋」「ドク トル・ジバゴ」「ライアンの娘」「アラビアのロレンス」に先立つ55年に撮った大人の恋愛ス トーリーの傑作!

 孤独なキャリア・ウーマンのキャサリン・ヘップバーンが休暇を取ってイタリアにひとり旅をする。 そこで知り合った優しい優しいイタリア紳士とのひとときの不倫な恋のお話。

 これこそが本当に一時のアバンチュール。ひとときの旅の思い出……こ〜の孤独な大人の女の心情 が切々と伝わる演出の見事なこと!

 そして当然来るラストの別れ、男はヒロインの乗った列車が発車するギリギリに駆け込んで来ては 転んでしまう(泣笑)走る窓から小さくなって行く男にいつまでもいつまでも手を振るヒロインに涙 が溢れかえります。

 こうした恋する男女の心の機微を切々と描くことの上手いこの監督が、後に「ドクトル・ジバゴ」 や「ライアンの娘」の爆発的なスケールの中に描いたロマンスのなんと素晴らしかったことでしょう か!



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