「サイコ(ガス・バン・サント版)」
言わずとしれたヒッチ・コックの古典の現代再映画化版。しかしコレはリメイクと言うよりも忠実なコピーと
言うところが特色? 古い作品のリメイクって最近では「飛べ! フェニックス」とかもあったけど、原作をそのまんま
はやらないよねぇ、だって今と当時とでは全く時代が違うんだし、第一人間の生活が違う。それに映画の技術も進歩
してるし面白さの基準みたいなモノも大分変わっている。でもそれをあえて現代の技術で出来る限り「そのまんま」や
ったと言うのがこの作品の特色なのだ。一応時代設定は現代になっていて、お金の価値とか使われる小道具等は今風の
に置き換えられているんだけど、どうにも物語がそのまんまなのでその違和感は拭えない。コレ監督がどうしてもやり
たかったんだろうな・・・でも観る方としては「そのまんま」やることに何の意義があるんだろう・・と思ってしまった。
作家としてもこんなことやってて楽しいのかな? と思う。リメイクってその中に如何に自分独自の作家性をつぎ込む
のかにあるんじゃないかな? まぁその辺のことは各批評サイトでこっぴどくこき下ろされてるようですが。例えば
先の「バットマン」のティム・バートンみたく過去の作品を塗り替えてしまう程の可能性もある訳で、このコピー作
品には今では何の印象も残ってないなぁ。誰かオリジナルを知らずにコレを観た人の感想を聞いてみたいですね。