「三度目の殺人」
是枝監督のオリジナル企画・脚本でこんな映画が……どんななんだろうと興味津々でした。
面白かったんだけど、でもコレなら是枝監督でなくても撮れるんじゃないか。と思いました。って勝手に是枝監督のテイストを決めつけて言ってますけど、どこまでがドキュメントなのか堺が見えない様な作風が魅力だったのに、本作はまるっきりフィクションに振り切ってしまった。
それが悪いとは思わないけれど、でもフィクションとしてもそんなに新味は無かったです。
役所広治さんはいいんだけど、主人公が犯罪者と面会して翻弄される……って仕立てをやるなら元祖レクター博士を凌駕するくらいのキャラでないと無理ですよねぇ。
それとミステリーなんだから一番の見どころになるのはネタですよね。観客は皆考えながら見てるワケで、中盤すずちゃんが告白した事って大体の人が思いつくことなんじゃないかな? ドッチラケました〜それでも終盤にもうひとヒネリあったので良かったですけど、でもかつて日テレの「火曜サスペンス」でもこれくらいの作品はあったと思います。
折角新作をお金出して観に行くのだから、観客としては想定外の物を観たいですよねぇ。
今や面会シーンのお約束になっている「天国と地獄」のラストでクロサワが発明した、一方の顏をガラスに映すことで両者の顏を同時に映すのをやってましたけど、やり過ぎじゃないですかね、これでもか! これでもか! と両者の顔を同じ画面に映しまくっていました。
あと関係ないけど被害者の奥さん役の斉藤由貴さんが容疑者の役所さんとの不倫を疑われると、何故か絶対クロだろうと思ってしまった。役者のイメージって大切なんですねぇ。