「さらば愛しき女よ」
かのアメリカン・ハードボイルド探偵の代表格! フィリップ・マーロウが活躍する同名
小説の映画化。
しかしマーロウと言うとやっぱし「三つ数えろ」のハンフリー・ボガートが決定的なはま
り役で、他の人が演じるマーロウはやっぱ違和感が否めない感じですけど、本作のロ
バート・ミッチャムは結構評判が良いんだとか……。
彼の起きてんだか寝てんだか分からない目が「スリーピング・アイ」と言って良い味な
んだとか。
まぁ本作の場合、内容のなんともやるせない苦い苦い味わいがミッチャム=マーロウ
の気だるい雰囲気にマッチしたのかもしれませんね。
音楽も物憂くダークでロマンチックな感じですね。しかし本作はそれよりも何よりも徹
底した悪女を演じたシャーロット・ランプリング! この元祖クール・ビューティーな魅力
に尽きるでしょう。
かのヴィスコンティ「地獄に堕ちた勇者ども」に始まって「愛の嵐」と耽美派女優と言
われたイメージから本作でのこの圧倒的な存在感! 「氷の微笑」なんてこの頃のラン
プリングがやればそーとー冷やかな作品になってたのではないかな。
しかしアメリカン・ハードボイルドに概して言える「ストーリーの分かりにくさ」は本作で
も本領発揮ですねぇ(苦笑)オレも初めて見た時ゃ全然分かりませんでしたよ。
後に原作を読んで、その後もう一度映画を観返してやっとその味わいが分かりました
から……。
初見の方に平たく御説明しますと、悪女を愛してしまったバカで純粋な悪男が振り回
されて、その男に同情した探偵が事件に関わって、最後はとてもビターな余韻になる…
…みたいなことかなぁ、って全然分かんないか(笑)。