「戦火の馬」
前回の「タンタンの冒険」に続いてスピルバーグ御大の戦争動物ヒューマン
物?
「プライベートライアン」から擦り込まれてるのか "スピルバーグの戦争モノ" と聞い
ただけで観る気満々なってしまうんだけど。
平たく言えば軍馬として戦争に駆り出されたお馬さんと飼い主の少年との友情物語…
…だったんスね。
それもただそのまま人間と動物の友情、というんじゃなくて、ここでの馬は仲間の馬
を助ける為に自らが犠牲になったり、戦争に嫌気が差して半狂乱になって暴走したりと、
多分に擬人化されて描かれている。
聞けば原作は馬が主人公の童話だそうで、完全に擬人化されて描かれているとのこと。
人間の言葉を喋る訳ではないけれど、本物の動物を擬人化して描くという手法は、か
つてジャン・ジャック・アノーがトラの兄弟愛を描いた「トゥー・ブラザーズ」や「小
熊物語」を思い出しますね。
それにしては本作の場合は戦場のリアルな人間世界の中で馬を半擬人化して描くので、
良くいえば新しいんだけど、悪くいうと中途半端な気がした。
実は俺どんな内容なのか、馬が戦場に行くという以外は殆ど予備知識なしに観たんで
すけど、どちらかというと昔オリバー・リードがやった、象を連れて戦場を横断する「
脱走山脈」や武田鉄矢のやっぱり戦争の象モノ「子象物語 地上に降りた天使」みたい
のかと勝手にイメージしてたのです。
なのでこの趣向が解るまでの序盤が長く、主人公の青年が戦争に駆り出された馬を追
って戦地に赴くのがもう少し遅かったら寝てしまっていた。
でもそこからはとても面白く、戦争に翻弄されて数奇な運命を辿って行く馬ジョーイ
君のストーリーには、とても興味を持てました。
ん〜でも正直こゆのをやるなら、日本のテレビでやってた軍用犬の話の方がストレー
トで良かった気もした。