「切腹」
こぉ〜れは面白い映画でしたねぇ。一般的には社会派の小林正樹監督が
武士道の理不尽さや残酷さを描き出したみたいに言われることが多いけど、どうして
コレは実に面白い面白い物語でしたよ〜。
江戸時代に実際にあったらしいけど、貧しくて暮らしていけない浪人の侍が「切腹
したいのでお宅の軒先を貸して下され」と金持ちそうなお屋敷を選んで訪ねて行く。
するとお屋敷では軒先を血だらけにされてはたまらないので金をやって追い払う。
浪人はいわゆる「たかり」ナノダ。しかし、本作ではたかりに来た浪人が既に刀も
質に入れて、腰に差している刀も実は竹で出来た偽物と知っていながら、お屋敷の人が
「ではどうぞ切腹して下され」と言う!
たかりのつもりだった浪人も、そう言われては後にも引けず、仕方なく「竹の刀」を
腹に刺して地獄の苦しみを抱いて死んで行くのだ。
そうして死んだ浪人の親父がその家を恨んで復讐に来る! そしてその家にいる3人の
強い剣豪たちに果し合いを挑むのだが、この時代は既に平安で、刀を差してはいても実戦
を知らない剣豪たちは、実際に戦の時代を生き抜いて来た親父に叶わず次々に討ち果たさ
れていく……。
ってお話ほとんど書いちゃいましたけど、映画ならではの時間軸をずらしたりして語られる
この展開が実に面白いんですよ!