「Shall we ダンス?」
人間仕事だけしていても、ふと自分の人生が虚しくてやり切れなくなってしまう時ってあるよね。人が生きるのに一番必要なモノはなんでしょう。仕事はもちろんだけれど住む所、そして家族。でも例え全てが揃っていて生活が順調であったとしても、それだけでは「生きてる」だけで「活きてる」実感が無く、憂鬱になって気力を失ってしまうことだってある。人が活きて生活するのにもうひとつ必要なモノはトキメキだと思います。それは小さな夢でも良いし恋でも良いし、何か夢中になれる素晴らしいモノであっても良いと思う。
厳しい社会生活、遠い遠い家、毎日忙殺されるだけの虚しさに襲われた中年サラリーマンがふと見つけたトキメキ。それがダンスでした。映画の中においてダンスと言う媒体がいかに素晴らしい効果を発揮してきたかは過去のミュージカルは言うに及ばず立証されて来た訳ですが、この映画の切り口は素人のサラリーマンがダンス教室に通い、他の仲間たちと頑張って行くと言うモノで、その過程のなんと楽しくトキメいていることか!
なんでも自分の憧れたことの為に一生懸命努力している姿は感動を呼びますね。夜の公園でひとり姿勢を良くする為の矯正器具を着けて懸命に練習する主人公の姿には胸打たれます。日本だってこんな素晴らしい映画を作れるんだ! 金なんかかかっていなくったって、派手なスペクタクルなんかでなくっても、こんなに楽しく、笑ったり泣いたり、それでいていつまでも心に残る様な作品は作れるんだ! って時々思わせてくれるこんな作品が、日本にも時々出てくるんですよねぇ。