「Sky〜名前のない夜と朝の夢〜」

Sky Theater PROJECT Vol.10(2004年12月26日下落合TACCS1179)

もうかなり長いお付き合いで、全公演の過半数は見せて貰ってるスカイシアターさん。今回の話は「夜」 の世界が舞台で、その世界に「朝」が戦争をしかけて来ると言う設定の中で両親の離婚した高校生の主人公が大人に なった自分やもっと先の老いた自分等と絡みつつ人生の夢や意味について考えさせると言うモノ。「夜」の軍隊は セブンイレブンやミニストップ、居酒屋笑笑(わらわら)等、街をいろどる夜のアイテムの名前。それに対する「朝」 の軍隊は始発電車や朝刊配達員等、朝の街を思わせるネーミングで笑わせる。現在の主人公は夜の概念の中で預言者 として朝が攻めてくると予言する中年の男で、その男が朝の攻略を阻止する為に過去の高校時代の自分にタイムスリップ するところから物語は始まる。高校生の自分は両親が離婚すると言う状況の中で悩んでおり、また将来朝の概念に 狙われる運命の自分の妻になる同級生の少女に恋をしており、まだ何も知らない彼女を守って朝の軍隊たちと戦う・・ と言うのが本筋。前からちょっと「キャラメルボックス」に似てるな・・と思ってたんだけど、ここはそれ程明確 な図式で展開するワケではなく、概念と概念のぶつかり合いに絡む主人公達のドラマが複雑に時に曖昧な混沌として 展開される。この錯乱した様な表現は唐十郎っぽいと思うのだけれど、それにしては表現としてもっとエキセントリック な役者が欲しいかな、それに役者の主な演じどころである殺陣があまり上手く なかったり(すんません)照明や音響、装置がイマイチしょぼく、絢爛たる表現に至らないのが物足りなかった。 特に音楽は格闘シーンに宇多田ヒカルが流れたりするのはバツな気がしたなぁ。寺山修二のJAシーザーみたいな 専属の作曲家とかいると良いですね。なかなか楽しめたんだけど、文句ばかりですいません。ここはお付き合いが 長いので、これからも頑張って欲しいです。



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