「それでも夜は明ける」

 古くはテレビドラマで社会現象まで巻き起こした「ルーツ」スピルバーグの「カラーパープル」や最近ではタランティーノの「ジャンゴ」等々アメリカの陰部である黒人差別モノ。

 ちょっと新しいのは、主人公は最初は奴隷ではなく、白人と同じ市民として自由に生きる権利を保障されている「自由黒人」なる身分だったのが、悪い白人に騙されて拘束され、奴隷として売り飛ばされてしまうというもの。

 しかしてこの作品。エゲツナイまでに白人による黒人に対する横暴で残虐なエゴを見せつけられる。

「ルーツ」やスピルバーグ作品の様な、最後に助かって本当に良かった! という涙よりは、権力を持った人間が如何に残酷で、弱い立場の人に対してヒトデナシな行為に及ぶのかという、人間のいや〜な部分を見せつけられて意気消沈してしまう。

 最期に主人公は助かって家族の元へ帰れてメデタシなんだけど、一緒にいた他の奴隷たちは南北戦争が終わるまでそのままの状態な訳で。これからも同じ境遇に生きて行かなければならないのかと思うと、全く気が滅入ってしまう。

 時代を超えてアピールしてくることは「権力者の横暴」ですね。コレは今でも至る所で見られることだし、自分に置き換えてみても、もしかして弱い立場の人に対して横暴に振る舞ってはいないだろうか? って考えてしまうくらい、人間の嫌な姿を見せつけられる。

 それと随所に見られた描写として、他人が酷い目に遭っているのに見て見ぬフリをする「無関心」ですね。そりゃ自分の力じゃ助けてあげることは出来ないにしても、コレも人間の赤裸々な姿として見せつけられます。

 終盤プロデューサーも兼ねているブラッド・ピットが天の救いの様な役で登場すんだけど、こ〜れがジジイで(失礼)なんだこのシワくちゃなオッサンは〜と思ったらブラピさん。

 こんなジジイになっちまったのか〜とショックを受けてしまった。それだけ自分も歳を取ってるってことですあね(悲)。

 あと関係ないけど監督名が余りにもビッグネームと同姓同名なのはやめて欲しいですね、だってその名前は映画史に残る永久欠番みたいなもんじゃないのか?


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