「スター・ウォーズ特別篇」
ああ〜もう懐かしい懐かしい、公開当時は本当に衝撃的な映画でした。
映画の歴史は勿論世の中がひっくり返る様な大騒ぎだったのではないかな。
宇宙戦艦ヤマトに夢中だったオレを友達が無理矢理連れて行った映画館は超満員、やむなく一番前の席に座ったオレと友達。何の予備知識も無く迎えたあのオープニング! 頭上から雪崩れ落ちる様に轟音を立ててスペース・クルーザーが飛び過ぎた瞬間に身体ごとスクリーンの世界に強奪された。それはまるで宇宙に行って撮影して来たのかと思う程の衝撃だった。
今見直すと何だかチャチに感じてしまうんだけどね。思えば一番映画館で観た回数の多い映画はコレか名画座に通った「用心棒」ですね。
少年時代オレの部屋は3度塗り替えられた。一度目はブルース・リーだらけ、次がヤマトだらけ、そして三度目はスター・ウォーズだった。
内容については今更言わずもがなだよね。でもこの頃少年だったオレはまだクロサワの存在に気付いていなかった。コレの後に「用心棒」を始めて見て、目からウロコが三枚くらいボロボロッとこぼれ落ちるのだけれど。この作品は後の「ジュラシックパーク」の出現なんて比べ物にならないくらい革命的だった。
けれど後に「2001年宇宙の旅」やクロサワを知るにつけ、世の中にはまだまだ知らない凄いモノがいっぱいあるんだなぁ……と教訓を得た時代でもありました。オレは全くスター・ウォーズ世代だなぁと思う。思えばクロサワの凄さを教えてくれたのはジョージ・ルーカスだったな。
この特別篇はご周知の通り70年代の作品に現代のCG技術でルーカスが描き足りなかった画像を付け足しした物で、オリジナル版を何度も見ている者にはやはり違和感がある。CGとミニチュアの質感は全く違う。デザインの問題もあるのかもだけど、オレはCGよりミニチュアの方が断然好きですね。
ハン・ソロのファルコン号が最初に飛び立つ場面はこの特別篇ではファルコン号が飛び上がって回転する描写がCGで描かれているけれど、オレは昔のバージョンの、直接的な表現は出来なかったかも知れないけど、帝国軍のトルーパーが下から見上げる上を直線的に上昇して行くミニチュアのファルコン号の方が断然リアルだった気がする。それでもファンとしてはやっぱり特別篇って観ちゃうんだけど、でもやっぱり作品はその時その時代に感じた作者の思いが作るモノだから、特別篇ってのは邪道なのかもしれないよねぇ。