「サブウェイ」

 かのリュック・ベッソンが「グレート・ブルー」でブレイクする前、当時フランスのニューヌーベルバーグと持てはやされてたんだけど、当時一番評価の高かったジャン=ジャック・ベネックスの「ディーバ」よりもオレ断然こっちの方がキョーレツで、当時観た下高井戸の名画座で「ディーバ」を挟んで2回観た記憶がある。

 何しろその描写、タッチがなんとも新鮮で瑞瑞しいこと! 何しろ張り巡らされた地下鉄の通路や勝手に住んでる地下室等、ホントにありそうで新鮮! 

 イザベル・アジャーニ等と花火をするシーンのなんとも光り輝く切なさよ! こっちの心もトキメキ捲って本当に嬉しかった。

 その後ベッソンは最初不入りで打ち切りだった「グレート・ブルー」が口コミで評判を呼び「グラン・ブルー」としてブレイクし、でんぐり返る面白さだった「ニキータ」と続きハリウッドに進出して、どう見てもフランス映画だった「レオン」をニューヨークで撮影し、大ヒットしたけどイマイチだった「フィフス・エレメント」を経て段々詰まらない映画のプロデューサー化していくのでした。

 だ〜けど初めて観たこの「サブウェイ」は本当に鮮烈だった。ただ本作は当時興奮して友だちに勧めまくっていたのだけれど、中には「訳が解らん」とか「メチャクチャだ」という向きもあって、手放しに褒められる映画でもないのかなぁと思ったものでした。

 そう思うと後にダメになっていくベッソンの悪い要素も既に提示されていたのかもしれませんねぇ。


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