「スーパーマン リターンズ」

 楽しみましたよ〜♪ 懐かしい音楽に乗って帰って来た赤いマントのタイツ男! そりゃ突っ込みドコロも多いけど、スーパーマンに文句言ってもしょうがないですから(笑)

 もう25年も経つんですね〜一時はニコラス・ケイジがやるとか(嫌だぁ)噂が流れたこともありましたが、本作はリメイクでなく、あくまで「続き」と言うスタンスに意味を感じますね。

 だからスーパーマン役を一生懸命探したんでしょう。なかなか良かったと思いますけど……でもやっぱし思うんだよなぁ。顔が映る度に「やっぱしクリストファー・リーブの方が良いなぁ」って。

 007のショーン・コネリーみたいなもんですかね、顔の整い方といい、マッチョでスポーティで優しそうで爽やかで……リーブはその為に生まれ出た様な完璧なスーパーマンだったんですね。

 今度の人も決して悪くないんだけど、やっぱ眉毛濃すぎだなぁ、それとCGで加工してるんだか、不自然にツヤツヤしててマネキンみたいだし。

 あと肝心のアクションシーンの描写も凄いスケールアップしてるんだけど、CGにありがちな「早すぎて落ち着きの無い」目まぐるしさが逆にリアリティを欠いてますね。

 何より一番胸を熱くする飛翔シーンなんかも人間をワイヤーで吊ったり降ろしたりしてた元作の方がず〜っと質感も浮遊感もあったと思う。

 元作を知る世代としては仕方ないんだろうけど、結局一番胸を熱くしたのはエンディングに流れるジョン・ウィリアムスのスコアで、担当者が変わってるのでアレンジされてちょっと安っぽくなってますが。

 で先日元作を見たくなって見てみたら……やっぱりぜ〜んぜん良くて泣けて来ましたね。そりゃ何でもオリジナルの方が……って言うんじゃなくて、センスとかウィットの問題じゃないかな。

 夢の見せ方、嘘のつき方が違う。冒頭のヒロインを助ける件も元作の方がず〜っと「待ってました!」な感じだし、スーパーマンを始めて目にする人たちの驚き様の楽しさと言ったら(笑)

 ロイス・レイン役のマーゴット・ギターもそんなに美人じゃなくて(失礼)巷の女の子たちも充分対抗出来る範囲の女性なので(重ねて失礼)「私にもスーパーマンが来てくれるかもしれない」って夢を見させてくれるんですね。
 当時同級生の女の子が劇場に7回行ったって言ってたの思い出します。

 あと一番気になったのは悪役のレックス・ルーサー。ケビン・スペイシーはどことなくジーン・ハックマンを彷彿とさせて悪くないんだけど、やっぱり描写がね、ハックマンみたいなオチャメさが無いんですよ。

 不動産屋の社長で土地の大切さを親父から学んだって言う信条は新作にも活かされてるけど、ハックマンはマヌケな部下から「社長」とか呼ばれてるし(笑)あの部下の存在は大きかったですね。

 ハックマンのルーサーは脳天気なグラマーちゃんとマヌケな部下のズッコケトリオでタイムボカンシリーズのドロンジョ一味な感じで憎めなかったんです。

 スペイシーはちょっとサイコでリアルに恐い、何より抵抗出来ない相手を殴ったり蹴ったりの生々しい暴力は不快で気分を害しますね。

 元作は始終ニコニコ楽しく見ていられる様配慮して作ってあるのが分かりました。

 なんでもリメイクと言うと目の仇にしてイチャ文付けるオヤジみたくなってますけど(自嘲)でも本当そうなんだもの!

 過去にリメイク作で成功してるのって思い浮かべて見ると……ずい分前だけど「遊星からの物体X」とかコッポラの「ドラキュラ」最近では「キングコング」くらいかな、あんまり無いでしょ。酷いのは上げると切りが無いけど。



リストに戻る