「勝利への脱出」
第二次大戦中のナチスドイツを徹底的な悪者にした戦争冒険映画が60〜70
年代に沢山ありましたが、コレはそのバリエーションで、ドイツ占領下のフ
ランスで、収容所の連合軍の捕虜たちとドイツの選手とがサッカーの試合を
すると言う、言わばアルドリッチの快作「ロンゲスト・ヤード」をサッカー
にした戦争映画版と言ったところ。
こ〜れ監督はかのジョン・ヒューストンなんですねぇ、それにしては普通
な作りですけれど。
当時まだロッキーやランボーで大スターだったスタローンがゴールキーパ
ー役でチョーカッコつけなんだけど、当時は素直に「カッコ良いなぁ〜」と
思って観た物でした。
そう言えば名優マックス・フォン・シドーがドイツ軍人の中で唯一スポー
ツマンシップを理解する将校役で、「ロッキー４」でゴルバチョフがロッキ
ーの奮闘に立ち上がって拍手したみたく、連合国チームの奮戦にドイツ軍の
中でひとり立ち上がって拍手をするのでした。
またこの試合をラジオで中継するドイツのアナウンサー役の人はアメリカ
の戦争映画でよくナチスの将校役で出ていた人ですね。
調べるとアントン・ディフリングって言うんですね「暁の七人」とかイー
ストウッド＆リチャード・バートンコンビの「嵐鷲の要塞」チャールトン・
ヘストンがオーケストラの指揮者だった「誇り高き戦場」とかキョーレツで
した。
前記の作品群ではいつもクールで恐い感じだったのが、ここではドイツチ
ームのことばっかし持ち上げて喋りまくる憎たらしいラジオのアナウンサー
役で、珍しかったですね。
この作品は高校時代友達二人と確か大塚にあった名画座で「鷲は舞いおり
た」と二本立てで観たのでした。懐かしいですねぇ。
考えてみたら「鷲は舞いおりた」でバリバリのドイツ将校役だったマイケ
ル・ケインが、本作では連合軍のイギリス軍人で、サッカーの試合に紛れて
脱走しようと企てると言う……映画の世界って面白いですねぇ。
確かサッカーの試合に出場するメンバーを調整する為に、一人怪我をして
棄権させる為に足の骨を踏ん付けて折るんじゃなかったかな……痛そうでし
た（笑）。
それとオマケとしてサッカーの神様とか言われていたペレが出て来て当時
流行った「オーバーヘッドキック」をクライマックスにキッチリ決めてくれ
ます（笑）
オレ全然サッカーとか観るの好きじゃないんだけど、コレは結構熱くなって
観ましたねぇ、今みたく日本でもサッカーブームになってから公開してればも
っとヒットしたのかもしれませんねぇ。