「太陽の帝国」

 この頃スティーブン・スピルバーグはそれまでのスペースアドベンチャー的な乗りから 前作の「カラーパープル」と言う文芸大作的な作品へ路線を変えての第二作でした。

 それまでのスピルバーグが好きだったファンからはあまり評価されていませんけれど、 オレ的には本作は「未知との遭遇」に継ぐ画期的な作品だったと思っています。

 戦時中に中国に外交官(だったかな)として赴任していたイギリス人の幼い子供が両親と逸れ、 戦地に置き去りにされてしまい、生き抜く為のサバイバルを通して人間として男として成長して 行く物語。

 この男の子は飛行機が大好きで、戦争の事情なんて分からないので、彼から見れば敵国で ある日本のゼロ戦もアメリカのムスタングも等しくカッコ良い戦闘機として憧れの的である。
 だからゼロ戦のパイロットにも敬礼するし、ムスタングが飛んでくればブラボーと喝采を上げたり する。こ〜の描写に涙がポロポロ零れた。

 そして終始主人公と一緒に物語を体験して行くと言う王道な作り方は前作の「カラーパープル」 から本作と続き、ラストは今思えばフランク・キャプラだったんですね。
 それにこの頃から画面作りにクロサワの影響が如実に現れて来ていました。公開当事は同じく 中国を舞台にしたメガトン級の「ラスト・エンペラー」のせいでちょっと影が薄かったですけど懐か しい、好きな作品ですね。

 あと余談ですけどこ〜の主人公の少年って「ダークナイト」「ターミネーター4」のクリスチャン・ ベールだったんですね! いやはや……ちょっと観て確認してみたくなりましたね(笑)。


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