「黄昏」
かの大往年の大俳優ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘップバーン演じる「老夫婦」が人生の
黄昏時に過ごす湖のほとりの別荘でのひと夏の出来事。確かコレは舞台劇の映画化だったと思ったけど。
この名優ふたりの老夫婦のなんと言う素晴らしさ! 俳優と言うキャリアを積んで来た二人の生き様
そのものが画面から溢れかえっている様だ。そして長年仲互いもあったらしい娘のジェーン・フォンダとの
始めての共演で、それも実生活と同じ長年疎遠になっていた娘役で、結婚に失敗して息子を連れて
両親の元へやって来ると言う設定。当時ジェーン・フォンダはインタビューで「始めての父との共演は
緊張のあまり演技の前に吐きそうになった」とか、作品の中でのジェーン・フォンダは確かに他の作品
での彼女と違ってましたね。何か遠慮してると言うか、神妙になってると言うか、そゆのも画面に出る
んでしょうね。意外なのはかのヘンリー・フォンダはこの作品で、この遺作で始めてアカデミー主演
男優賞を受賞したらしい。かの「いとしのクレメンタイン」や「未知への飛行」「怒りの葡萄」等々
凄い作品にいっぱい主演していたのにねぇ。しかしこの生涯最後の作品。本当に素晴らしかったです
ね。人が老いて行くって哀しくて寂しくて、でも何か美しいんだな。そんなことをまだ若輩のオレ等
にも伝えてくれる優しい映画でした。