「タワーリング・インフェルノ」

 映画が一番面白かった60〜70年代パニック映画の金字塔。一時期は今までに見た中で一番好きな映画は? と言う質問にコレを上げる人が多かった。

 公開された年はオレ九州の大分市に住んでたんだけど、その時大分市の消防署の職員が映画の上映に招待されたんだよねぇ、当時のお役所は粋な計らいをしたもんだ。

 現実にこの映画を観て消防士を志した人も多いと聞きます。まぁ冒頭テロップで 「全ての消防署員に捧げる」 なんて文句が出るんだけれど、まぁそれは綺麗ごととしてもとにかく超一級のエンターテイメントだった。

 スティーブ・マックィーンのなんと言うカッコよさよ! 本当にこの人ほど出演作品のそれぞれが大傑作に間違いないと言うひとは映画の歴史の中でそういないんじゃないかな。
 自分のプロダクションを作って仕事を選んで出ていたワケだから、良い仕事を選ぶ才能があったんでしょうね。ただ 「地獄の黙示録」 は断って欲しくなかったけど…。
 この映画では特種訓練を受けた消防隊員のエリートで、次々に起こる絶対絶命の危機から人々を助ける為に凄いガッツで行動して行きます。
 単なるヒーローと言うのでなく、自分の仕事に命をかけている姿のカッコ良さになってるとこが良いんだよね。

 この頃のスターってブロンソンにしろコバーンにしろ決してイケメンじゃないけど顔に言い知れぬ説得力があって本当にたまらなく魅力的、なんなんだろうね、言葉で説明出来ないけど、映画スターはこうあるべきだったんだろうな。

 この映画はワーナーブラザースと20世紀フォックスの合作なんだけど、実は最初はそれぞれの会社が別々に違う原作のビル火災の映画化を企画していて、それが 「どうせ同じ様な映画を作って競争するくらいなら…」 と合作にして1本の大スペクタクルに仕上げたと言うことらしい。
 それにしてはストレートなまとまりのあるストーリーになってると思うんだけど、最初各々が企画していた原作小説ってどんなだったんだろうね、一応この映画の原作はそのままの題名で文庫にもなっているけれど、それはあくまでまとめた後のストーリーだよね、確かそもそもの原作の片っぽは「ガラスの地獄」とか何とか言う題名だったと思うけど、誰か知ってたら教えて下さい。

 あともうひとつ、この映画のキャストは脇役のひとりひとりまでキラリとひかる人が多いんだけれど、あの奥さん殺しの裁判で有名になったJ・リー・シンプソンも出てます。
 あとかの 「慕情」 の女医役だったジェニファー・ジョーンズやその相手役だったウィリアム・ホールデン!(はあんまし良い役じゃなかったけど・笑)。
 何と言っても特筆すべきはあのフレッド・アステア! もちろんタップのシーンなんて無いんだけれど、これを見た時子供心に彼の演じる詐欺師(笑)がビルから降りられなくなった時に騙そうとした相手(ジェニファー・ジョーンズ)に身の上を打ち明ける場面には凄くジーンと来て、後から往年のミュージカルの大スターだったことを知ったのでした。

 そう言うことからもコレは本当に凄い凄い当時のハリウッドの一大プロジェクトな作品でした。ジョン・ウィリアムスの音楽も! そしてこの後あの「ジョーズ」が出るんですよね。



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