「となりのトトロ」

 今頃言わずもがなの作品ですけど……コレって公開当時かの高幡勲監督の 「火垂るの墓」 と二本立てだったんですよね。コレ以降この二大巨頭は袂を分かち、後に大きく明暗? を分けることになる。

 片や宮崎駿監督は 「もののけ姫」〜「千と千尋の」 と大躍進を遂げ、高幡監督は 「思い出ぽろぽろ」〜「となりの山田くん」 と不作? へはまって行く……。でも今となっては晩年の「かぐや姫」は素晴らしかったと思いますけれど。

 実写では決して出来ないことをする 「トトロ」 と 「火垂るの墓」 の写実的な描き方はこの時点で既に対照的であった。
 高幡監督は 「火垂るの墓」 の成功で方向性を誤ってしまったのではないか? とまで思ってしまいました。

 勝手な分析していますけど、本作でのネコバスの跳躍やトトロの大きな歯並びを見てるとそんな気になってしまう。
 とは言えオレ的にはこの時点では 「トトロ」 より 「火垂の墓」 の方が作品として数段上だと思ってました。

 「トトロ」 のストーリーはずるい、あんな可愛い子供たちがいてお母さんが病気だったら可哀想に決まってるじゃないですか。
 ここでの面白さは飽くまでトトロやネコバスの動きの楽しさなのだ。かと言ってこの映画が嫌いな訳では決して無いけれど。

 勿論宮崎アニメは好きだけど、なんか一発高幡監督に大リベンジをして欲しい〜と言う気持ちを持っていたのはオレだけじゃないんじゃないかな?。



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