「トータル・リコール」(90米)
「ロボコップ」と言う異色の近未来SFでブレイクした奇才ポール・バーホーベン監督&シュワルツェネッガー主演の超大作。
未来の世界で様々な惑星を舞台に奇想天外な活劇が展開して行くストーリー。この映画の予告編は異常に面白そーでした。
主人公の持っていた記憶が実は他者から植え付けられた物で、実は自分は全く違う人間だったことが分かる。そしてその記憶を取り戻し、本来の自分を賭けて戦いに挑んで行く……。
火星のセットとか今みたくCGじゃなくミニチュアだったり、一昔前のSF映画の楽しさが残っていますねぇ。
それでも空港で大きなおばちゃんみたいのが震え出したと思ったらシャキンシャキンと顔が割れて中からシュワちゃんが出て来る件の映像とか当時はギョエーとなったもんです。
あとタクシーの運転手がロボットと生身の人間のとあって、ロボットの運転手がクイダオレ人形みたいで楽しかったですねぇ。黒人の人間の運転手は確か途中で狂ってシュワちゃんを追いかけてくるんじゃなかったかな……。
ただこの映画、記憶の入れ替えとか面白い設定がいっぱいあるのに、何かいまひとつ盛り上がらなかった記憶もあるんだよなぁ。
バーホーベンとしてはあまり奇才ぶりが発揮されておらず、割とスマートなSFな印象になってしまった感じかな。「ロボコップ」みたいな屈折した未来の恐さとかは無かったですよね。
惑星のチープなセットとか、遠い未来なのにシュワちゃんが現代の道路工事のおっさんみたくアナクロな掘削機を使ってたりとか、面白い突っ込みどころもあるんだけれど。
後で考えると、コレはシュワちゃんみたいなタフガイではなく、アメリカンハードボイルドのヒーローみたくあんまし腕っ節は強くないけど限りない正義感に満ちていて絶対屈服しない男とか……とにかくもう少しリアルな人間味のある役者がやった方が良かったんじゃないかなぁと思いました。
まぁお金のかかったマンガとしては十二分に楽しいんですけどね。
それと「氷の微笑」でブレイクする前のシャロン・ストーンがシュワちゃんを騙していた奥様役で見事なアクションを見せてます。
それとこの悪役の男優もこの後いろいろ大作に出る様になりましたね。