「トランザム7000」
こ〜のアメリカンジョークの楽しさよ! まだ日本の車が売れ出して貿易摩擦
が起きる前。車と言えばアメリカだった頃のこの余裕あるお遊び映画のなんともカッコ良
かったことよ! 景気の良い車のブッ壊しっぷりにはアメリカと言う国の大きさを感じたモ
ノでした。
コレはかつて車大国と言われていたアメリカの、その名もズバリ「トランザム」
と言う車の名前が題名になっている。広大なアメリカの余裕のジョークみたいな作品
でした。まぁた当時全米で最もセクシーな男優と言われたバート・レイノルズのワイルド
で粋なカッコ良さが作品のテイストを象徴していましたね。
この頃は本当デカイアメ車と言うモノに憧れがありましたねぇ、古くはマックィーンの
「ブリット」が乗っていたフォード・ムスタングとか、テレビ「スタスキー&ハッチ」に出て来た
赤いフォード(コレはかのグラントリノだったらしい)とかもカッコ良かったですね。
コレより前のカーアクションを主体にした映画と言えばかの「バニシング・ポイント」や快作
「ダーティメリー・クレイジーラリー」を思い出しますけど、それ等前出の作品はそれぞれ当
時流行ってた "反体制" と言うニューシネマ的メッセージに裏打ちされてたのとは違い、
本作はそんなモノぜ〜んぜん知ったこっちゃない(笑)全く能天気に突っ走る! ところが
魅力です(笑)。
このアッケラカンとした陽気な雰囲気と広大なアメリカの風景が爽快でね〜「中身カラ
ッポじゃねぇか」と言われてしまえばそれまでなんだけど(笑)レイノルズが途中で何が起
ころうとジョークで交わしてしまう遣り取りが溜まらなくカッコ良かった。
レイノルズのトランザムに便乗することになる花嫁姿のサリー・フィールドなんて、
「ノーマ・レイ」や「プレイス・イン・ザ・ハート」等社会派の重厚な映画に出ている実力派
なのに、ここでは全く可愛らしいお姉ちゃんで、実に楽しげにノビノビしてた。
この後レイノルズは本作のハル・ニーダム監督と組んで「グレート・スタントマン」〜コレ
の続編「トランザム7000対激突パトカー軍団」〜「キャノンボール1〜2」と能天気快作を
連発して行くんでしたね。