「トゥルー・ロマンス」
かの傑作「レザボア・ドッグス」でデビューしたクェンティン・タランティーノ脚本で、監督
は「トップ・ガン」や「ビバリーヒルズ・コップ2」等スタイリッシュな画作りのトニー・スコット。
同じくタランティーノ脚本でオリバー・ストーンの監督した「ナチュラルボーン・キラーズ」は
タランティーノ本人曰く「俺の脚本を勝手にメチャメチャにしやがった」そうだけど、アレを観た時
は正直タランティーノなんて若造よりも御大オリバー・ストーンの二枚も三枚も上な力量に感服した
記憶がある。だけど本作の「トゥルー・ロマンス」の方はそのままタランティーノが監督しました。
と言っても信じてしまうくらい良くも悪くもタランティーノ臭に満ちている。主人公のビデオ屋の店員
が場末の映画館でオールナイトで観てるのが御存知千葉ちゃんの「激突・殺人拳」の嵐の船の上で
宿敵と対決するラストシーン。この主人公が奇想天外な展開であれよあれよと大金を手に彼女と逃げ回る
組織からの逃亡劇になってくんだけど、どこかオチャラケていてクールなジョークが氾濫する。
オレは正直かの「レザボア・ドックス」の洗練された緊張感に比べてコレはオチャラケ過ぎていて
お粗末な気がしたなぁ。まぁ楽しかったしコレを凄く評価してる人もいるんだけどね。タランティーノ
って最近の「キル・ビル」ってのも分かるんだけど、出来れば「レザボア・ドックス」の様な、
パロディでない映画の王道を突き進んで欲しかったなぁ。