「裏窓」
こ〜の映画本当楽しかったですね♪ ドキドキワクワクしながら終始楽しい気分で観られるサスペンスを作れる人ってヒッチコックしかいないんじゃないかな。
映画監督で巨匠と言える人は、代表作を挙げただけで何本もの作品名が並ぶ人だと思うけど「サイコ」「鳥」「北北西に進路を取れ」「ダイヤルMを回せ!」「断崖」「見知らぬ乗客」「私は告白する」等々……枚挙に暇がございませんね。
ヒッチコックの場合黒澤やスピルバーグと違って、大作から小品まで一貫してサスペンスなんですよね、それでもネタにつきることなくこれだけの作品群を残しているのが凄いですよねぇ。
後にヒッチコックタッチと称されるサスペンス物の映画が多々ありましたけど(「サイコ2」も含めて)それらを観る度に認識させられたのは「やっぱり違う」ということ、体裁は似ていても、こ〜のそこはかとなく醸し出す空気感は誰にも真似できません。それでこそ才能! と言うことが出来るのかもしれません。
この作品のこの遊び感覚! 裏に並ぶアパートのなんて見やすい大きな窓! 窓! 考えてみればあんな大きい窓でしかもみんな全開で「さぁ見て下さい」と言わんばかり(笑)。
現実にはそんな訳ゃないんだけど、一見不自然な感じがしないように上手く作られていますよねぇ。あ〜の文字通り、裏窓からの眺めが登場するだけで楽しくワクワクした気分になってきますよねぇ。全くあの美術は素晴らしかったと思います。
主人公は寝たままで、事件も展開も窓から双眼鏡で見てるしかない。このシチュエーションを活かしたゴニョゴニョ言ってるのは分かるけど遠くて聞き取れない会話。双眼鏡の中でこちらが見ていることに気が付く犯人の目線等、こちらの心理を弄ばれている様な、引き込まれてドキドキする描写が目白押しでした。
そ〜れとグレース・ケリーのまぁなぁんて上品な美しさよ! こんな嫌味のカケラもない美人が他にいるでしょうか! お上品でお上品でなんの反発も感じさせない高貴さ!
そ〜れがなんであんなオッサン(ジェームス・スチュワート)に惚れてるんだ(失礼)! とか思ってしまうけど、この頃のアメリカ映画ってヘップバーンもそうだけど相手役はハンフリー・ボガートとかケーリー・グラントとか、今で言うと初老の紳士みたいな人が多くって、それがまた絵になってるところが憎いですよねぇ。
これこそユーモアと仕掛けがいっぱいの、作る方も観る方も映画と言う物の楽しさを存分に満喫出来る作品でした。