「麗しのサブリナ」

 ヘップバーンの映画の中でどれが一番好きかと言うと、「ローマの休日」 の鮮烈な美しさは勿論なんだけど、可愛らしさでは本作が一番だと思いますねぇ。

 しかしてヘップバーンと言う と本人のスター性が突出してるのは勿論なんだけど、前作の「ローマの休日」が ウィリアム・ワイラー監督で、続く本作はかのビリー・ワイルダー御大監督に共演はウィリアム・ ホールデンとハンフリー・ボガートと言う、当初から超一流の監督や俳優たちに囲まれてる ところも、最初っから凄いんですね。

 オレいつも「オシャレと言う言葉はこの人の為にある」なぁんて言ってる んだけど、最初の方で自殺を図る場面があって、その方法と言うのが、車が沢山 止まってるガレージのシャッターを閉めて、車のエンジンを全部かけて寝ると言う……なんだ かもうその考え方がオシャレでしょ? まぁそれは脚本家の仕事なんだけど。

 ストーリーは確か大金持ちの屋敷の住み込みのお手伝いさんの娘が、寄宿舎かな んかに入ってて、何年か経って帰って来るんだけど、そしたらビックラこく様なべっぴん さんになっていて、以前は小娘だと思って気にも留めてなかった金持ち一族の長男ハンフリー ・ボガートと遊び人の次男ウィリアム・ホールデンが色めき立つと言う、楽しい物語。
 ここでの根っからのプレイボーイな次男ホールデンと、生真面目で無骨な長男ボガートの 彼女への恋心の移ろいが全くオシャレに展開して、見てるとニヤニヤしてしまいます。

 ここでのボガートって年齢的にゃ日本だともう オッサンなのに、こ〜のカッコ良さはどうだ! まぁもう日本人の西洋コンプレックスなんて 今じゃ死語だけど、だけど年齢的に同じくらいでヘップバーンと並んで様になるオッサン なんて日本の俳優じゃいないですよねぇ、思い浮かぶのは田村正和くらいかな、田村 さんはもっと行ってるか。
 「昼下がりの情事」のゲーリー・クーパーとか「シャレード」のケーリー・グラントとか皆 それこそロマンス・グレー(これも死語か)で、カッコ良いオッサンでしたよねぇ。
 アメリカの俳優さんって歳の取り方もカッコ良いんだな。関係ないけど「キル・ビル」 のデビッド・キャラダインなんかもうジイサンな歳なのに、普通にユマ・サーマンと恋人同士 で様になってましたもんねぇ。って話が逸れましたね(笑)。



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