「ワーロック」

 コレは所謂「勧善懲悪」ではない、ヒネリの効いた面白い西部劇ですよぅ。

 アメリカの伝統的な西部劇とは違う、魅力的なキャラクターたちが絡み合いながら も、善悪の区別がハッキリとはしない、人物関係のベクトルが複雑に絡み合うことで 異様な面白さを醸し出しています。

 後の「ミズーリ・ブレイク」や、かのイーストウッドの監督作としては最高傑作「 許されざる者」に連なる系統ですね。

 何より印象に残ったのはヘンリーフォンダの自信満々な凄腕ガンマン!  兎に角凄腕なんだけど、善側につくのか、悪側につくのかは彼の気持ち次第なので、 見ているこっちは物語がどっちへ転ぶのか予想がつかない。

 勧善懲悪ではない、こうしたある種リアル? な人物関係のストーリーってのは、 得てして大味で面白みに欠けてしまうところなのだけれど、本作の様に各キャラクター が魅力的でビビットに描かれていると、全く展開が面白くなってくんですよねぇ。

 コレはアメリカの伝統的な西部劇とは違う、かと言ってマカロニウエスタンとも全く 違う、例えて言えば今のタランティーノ的な(反論あるかな?)面白い面白い作品で した。



リストに戻る