「私はうつ依存症の女」
「バッファロー’66」に出てたちょっとポッチャリ系? で可愛らしかった女優さん(クリス
チーナ・リッチ)の本格的
な芝居、役作りに挑んだ女優魂(大げさかな?)を試した作品。この手の「芸術家のジレンマ」みたい
な素材って端から見てるとなかなか共感出来ない内部の葛藤なので、やもするとただの煩いヒステリー
な嫌なヤツ・・になっちゃうところなんだけど、これは結構上手に出来てたんじゃないかな。作家の産
みの苦しみとかって、経験ある人にはよく分かるんだけど(笑)ない人には全く共感出来ない可能性が
あるよね。そもそもそゆ葛藤って映像化して人に理解させるって非情に難しいことだと思う。まぁ人間
誰しも一度は自分の感情が自分の思い通りにならない経験とかはあると思うけれど、例えば「人に親切
にされればされる程腹が立つ」って状況あるよね? 矛盾してると自分で分かっていても人には時とし
てそういう時がある、ってことは分かるんだけど、それを映像として観る人に「そうそう」と共感を得
る様に描くことはなかなか出来ない、でもこの作品はなかなか上手く出来てると思った。主人公の主な
葛藤を生み出す要因として母親のジェシカ・ラングが出て来るんだけれど、この母子の確執を見ながら
すぐ思い出した、かつてジェシカ・ラングがこれと同じような母子の確執を描いた作品で、その時はラ
ングは娘の立場だった「女優フランセス」と言う作品。これも実話の映画化で確かアカデミー賞候補?
か取ったんだっけ? か、思い出してみるとこっちの方がなんか遥かに強く印象残ってるんだけど、
ラストはラングが精神に異常をきたして病院に入っちゃうんじゃなかったかな・・・。ジェシカ・ラン
グは最初キング・コングにさらわれる美女役で出て来て、その後「郵便配達は二度ベルを鳴らす」や
「トッツイー」で演技派女優振りを発揮して来た人だよね、クリスチーナ・リッチもそんなラングの女
優としての生き方をどれほどか意識しているのかな?・・んでもこの映画、まぁまぁ面白かったけど、
インパクトとしては「女優フランセス」のが衝撃度が上だった気がするなぁ・・・。ジェシカ・ラング
が出ていなければ思い出さなかったし比較する気もなかったんだけどねぇ。