「八重子のハミング」

 たまの休みに見るならあまりチョイスしない系ですが(失礼)知人に誘われて観ました〜

 まだ認知症のことを痴呆と言ってた頃にはやった「恍惚の人」や「人間の約束」を思わせる夫婦愛を描いた真面目な作品でした。

 自ら癌に侵され三度もの手術を経ながら、アルツハイマーにかかった妻を介護した夫の実体験を映画化したのだとか。

 テーマは重いけど脚本が良く出来ていて、テンポ良く最後まで一気に観せる素晴らしい感動作でした。

 でご一緒した知人が「アルツハイマーになった奥さん役の高橋洋子ってあの高橋洋子?」っていうから、考えてみたら、高橋洋子ってかの「旅の重さ」でデビューして当時16歳? にして全裸で海岸にうずくまるスチールが強烈だったあの高橋洋子? まさか違うよね〜等と話してたんだけど、調べてみたらやっぱしあの高橋洋子だったのでした!

 鮮烈なデビュー作の後忘れられない「サンダカン八番娼館」があって、その後「傷だらけの天使」にゲストで出たりしてたけど、暫く見ませんでしたよねぇ、でもそう言われると確かに面影がある。

 あんまし見たことないけどずい分芝居が上手い女優さんだなぁ〜と思って見てたんですけど、そうならハナから知って観たかったですね。いや〜素晴らしい。

 この監督さんは「半落ち」なんて大作も撮ってる一方で、鹿児島で和菓子屋の三姉妹を描いた「六月燈の三姉妹」なんて小さな好編を撮ってたり、とにかく自らのポリシーに沿って作品作りをされてるんだとか。

 大ヒットはしないのだろうけど、こういう映画を作る人もいてほしいな……と思う作品でした。言い方ヘンかな……



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